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Amazonが考えるAIの民主化とは? 追求するのは「音声による自然な会話」

[2018/04/16 08:00]小池 晃臣 ブックマーク ブックマーク

大学や研究機関との協力で進めるイノベーションの民主化

AmazonがAlexaの進化に向けて特に注力するのが、自動音声認識(ASR:Automatic Speech Recognition)や自然言語理解(NLU:Natural Language Understanding)である。例えばNLUでは、言葉の順序によって複数の解釈が生じる。そのため、解釈が曖昧になりそうなときにはコンテクスト(= 文脈)を理解できるようにするといったところに、時間と労力を投資しているという。

その成果は、Alexaを使った大学生や大学教員向けのコンテスト「Alexa Prize」を通じて世の中に公開されていく。コンテストでは、最も性能の高いソーシャルボットを作ったチームに50万ドルの賞金が与えられ、さらに20分間の対話を続けられるソーシャルボットであれば、100万ドルの賞金が追加支給される。

ジェイン氏は、「リサーチの成果は引き続き公開して、イノベーションの民主化を促していきます。こうしたところから、Amazon以外の人々とも協力関係を築いていきたい」と想いを語った。

このような研究・技術開発コミュニティとの協力もまた、AIの民主化の1つなのだ。

会話の流れやデバイスの接続状況を理解する新機能

Alexaには、”文脈学習の能力”が搭載されているという(現在のところ日本では未提供)。その1つが、「会話の流れを理解する力」だ。

例えば、「◯◯博物館はどこにあるの? 」という質問に対してAlexaが回答したら、続けて「どうやって行くの?」と質問すると、Alexaが経路を答える。一見すると何でもないやり取りに思えるが、博物館の名称を2度言わなくても済んでいる。この会話の裏には高度な技術が使われているのだ。

「Alexaの頭脳が、文章のなかのどの構成要素が次の文脈の理解に必要なのかを判断します。こうした理解の繰り返しにより、Alexaの理解力はさらに高まっていくのです」とジェイン氏は説明する。

こうした能力が進化すると、例えばショッピングサイトの画面を見ながら「青いシャツを見せて」とか、「2番目の商品を見せて」「ほかをもっと見せて」といった指示を出すことも可能となる。

「ディスプレイ上に何が表示されているのかを理解し、よりユーザーフレンドリーでパワフルなコミュニケーションが実現できます。映画やビジネス、写真など、さまざまな分野の能力を活用できるでしょう」(ジェイン氏)

またAlexaは、現在どのようなデバイスが使われているのかといった”デバイスのコンテクスト”も理解できるのだという。例えば、通常Echoに向かって「◯◯(映画)を再生して」と言うと、その映画のオーディオブックを再生するが、EchoがFire TVと接続されている場合には、映画をTV画面で再生するのである。

「人間にとって使いやすい、シームレスなかたちでエクスペリエンスを提供するのが『デバイスのコンテクストを理解する』ということです」とジェイン氏は強調した。

「我々はAIの夢をどんどんと現実にしていきたいと考えています。まだよちよち歩きの段階ですが、夢の実現に向けてイノベーションを積み重ねていくので、ぜひ皆さんも一緒に参加してください」──ジェイン氏はこう会場に呼びかけ、講演を終えた。

※ 本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合がございます。予めご了承ください。

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