AI、IoT、ロボット......テクノロジー活用で変革が進む日本のワイン産業

[2018/04/13 08:00]山田井ユウキ ブックマーク ブックマーク

[1ページ目]  日本ワイン業界の現状
[2ページ目]  “Internet of Wine”の挑戦

“Internet of Wine”の挑戦

IoWプロジェクトに協力するのが、一次産業とAIの組み合わせでイノベーションを目指す企業、IoZだ。セミナーでは、同社代表取締役の吉田柳太郎氏が登壇した。

IoZ 代表取締役 吉田柳太郎氏

IoZは「いいちこ」でも知られる三和酒類のワイナリー、安心院葡萄酒工房を支援するかたちでさまざまなプロジェクトに取り組んでいる。

例えば試飲した人の性別、年齢などのデータを蓄積できる試飲用のワインサーバーや、ぶどう圃場の土中水分量やpHを測定するセンサー、さらにはぶどうの育成状況を遠隔監視するために高解像度カメラを搭載したローバーなどを開発し、注目を集めている。ローバーは実際にイベント会場に展示されており、遠隔監視のデモンストレーションが行われていた。

会場にはローバーの実物が展示され、遠隔監視のデモが行われていた

今後は大分県を軸とした実証とモデル化をさらに推し進め、他の自治体への展開やぶどう栽培以外の分野にも展開していく予定だという。

工房長がロボットに寄せる期待

IoZと共にIoWに取り組む安心院葡萄酒工房からは工房長でエノログ(ワイン醸造技術管理士)の古屋浩二氏が登壇した。

安心院葡萄酒工房 工房長 古屋浩二氏

古屋氏によると、大分県には安心院葡萄酒工房を含み4軒のワイナリーが存在するとのこと。そのほかにも九州には福岡県、長崎県、熊本県、宮崎県などにワイナリーが点在しており、年々その数は増加しているという。

九州と言うとあまりワインのイメージが強くないが、実はぶどうの収穫期である9~10月の降雨量が非常に少なく、ワイン造りに適している。ただし、梅雨の時期はやはり雨が増えるため、そこに課題がある。

安心院葡萄酒工房の畑規模は現在、自社畑と契約畑を合わせて約8.9ha。さらに2018年には約10ha拡張予定で、新品種の研究開発も行うなどワイン生産の規模はどんどん拡大している。

こうした状況では検査のためにぶどう畑を回るだけでも一苦労とのことで、「自動で動き回って撮影できるロボットがあるとありがたい」と、ぶどう栽培へのロボット導入に期待を寄せた。

会場では、安心院葡萄酒工房をはじめとする国内外のさまざまなワインと、大分産の食材を使った料理が振る舞われた

* * *

ワイン法が制定され、大きなターニングポイントを迎えようとしている日本ワイン。国際的な評価も高まってきているが、質量共にまだまだ乗り越えなければならない壁があるのも事実だ。

ロボットによる遠隔監視や土壌調査用センサーといったデジタル・IoT技術はもちろん、AIによるデータ分析にも取り組む必要があるだろう。

例えば、消費者の意見をAIで分析することで日本ワインが目指す方向性を模索したり、ぶどう栽培において気象条件や土壌などのデータから、その土地に向いている品種などをロジカルに割り出したりできる可能性がある。

ワイン法、テクノロジー、そして生産者や支援者の情熱が三位一体となった今、日本のワイン造りは変革の時を迎えようとしている。

※ 本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合がございます。予めご了承ください。

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