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AI人材に必要なもの [4] ビズリーチ 竹内氏、菅谷氏 - 「今は感情も考慮」

AI人材に必要なもの [4] ビズリーチ 竹内氏、菅谷氏 - 「今は感情も考慮」

[2018/02/14 07:30]山田井ユウキ ブックマーク ブックマーク

人事にAIが入るのは最後の最後!?

――人事業界にもこれからAIがどんどん入っていくと予想されますか?

竹内氏 : 例えばAI導入で作業量が100分の1になったとか、圧倒的なコスト削減などの成果が出てくれば一気に導入が進むのでしょうけど、人材業界においてはある程度時間はかかると考えています。

むしろ人事の仕事がAIに置き換わるのは最後になるんじゃないかと思っています。

――それはどうしてですか?

竹内氏 : 人を扱う仕事だからです。人の判断には感情も加わるので、どんなに正しい答えでも納得できなければ動かないんです。

例えば、AIに「あなたの能力を考えると、年収は低いですがこの会社がぴったりです」と言われても応募しようとは思いませんよね(笑)。

人材を採用する側も一緒で、人間のフィルタを通さずにAIが選んだ人を無条件に採用するというのは、なかなか想像しづらい。社内の人事異動に関しても、AIに提示されたところで、よほど好きだったり、収入が上がったりしないかぎり受け入れられないと思います。

――たしかに。

竹内氏 : AIの方が判断の精度が高かったとしても、それを受け入れるのはまだまだ難しいんです。生活の中で「AIを信じていい」という風潮になってから、やっと人事でも取り入れられるのではないでしょうか。

実際、今我々が行っていることもサジェストに留まっています。最後の決断と執行は人が行うかたちです。

将来的にも、人事業務のすべてをAIで置き換えるのは難しいだろうと個人的には考えています。AIが導き出した異動だったとして、「君はこっちの方が向いていると思うよ」と社員に伝えるのは人の仕事であり続けるでしょう。

――ではAIで置き換えられるとすれば、その仕事とは?

竹内氏 : 定型的なタスクを処理するといった作業についてはAIの浸透も早いと思います。

例えば、当社のサービスで「AIIQA(アイカ)」というものあります。これはチャット系ツールにつないで使えるQ&A自動応答サービスです。

当社の従業員は約1000人で、毎月20人くらいが入社します。そうすると、先月入社した社員と同じ質問が、今月入社した社員からも出てくるんですね(笑)。これだけの人数になると人事や総務への質問もかなりの数になりますが、実はほとんどは同じ内容なのです。

そこでAIIQAを使ったチャットベースの問合せ窓口を用意しています。頻出の質問に関しては、AIIQAが自動で応答し、未知の質問が来た場合のみ担当者が回答するかたちをとったことで、問合せ対応の時間は大きく減りました。担当者が回答した質問もAIIQAに学習させますので、しばらくすると自動応答できるようになります。

こういった作業の自動化は早期に浸透するでしょうね。

AIに向いている人とは

――AI人材についても伺いたいと思います。どういった人が向いているのでしょうか。

菅谷氏 : 専門的なAIエンジニアという観点であれば、やはり数学的な素養は必要でしょう。その上で、自分で学ぶ意思がある人が伸びると思います。

AIでは学ばなければならないことが非常に多いですし、最終的にはアカデミックな仕組みまでわかっていないと、チューニングすることができません。

竹内氏 : 精度を求めずにちょっと機械学習を導入する程度であれば、そこまでの専門知識は必要ないかもしれませんね。簡単に使える無償のフレームワークもありますので、ソフトウェアによっては従来のIT知識+αで間に合うケースも多いと思います。

菅谷氏 : たしかにそうですね。AIエンジニアがやることも、2、30年もすれば今より減っていると思いますね。

――技術が進化して素人にもAIが扱いやすくなっていくわけですね。

竹内氏 : そうなると、AIエンジニアはものすごく深いところまでわかる人じゃないと価値がなくなるでしょうね。出てきた論文をすぐキャッチアップしていかないと時代の流れに取り残されます。

米国と日本のITギャップを利用したタイムマシン経営なんて言葉もありますが、今はそこがどんどん縮まっている気がします。

実際、菅谷をはじめとするAI室のメンバーは、最新の論文をチェックしてすぐに試しています。現場から相談を受けたときに最適な技術を提供できるように、日々準備していますね。

転職後の幸せも見据えた人材マッチングを目指して

――今後、企業がAIを導入するうえでは、どんな心構えが必要でしょうか。

菅谷氏 : 変な話ですが、AIを育てるのは子供を育てるのに似ています。最初は間違って覚えてしまうことがあるかもしれませんが、教えてやって学んでいく。

したがって、AIがある程度間違うことを許容する懐がないと、AIビジネスにはチャレンジできないと思いますね。

――今後AIでどんな世界を実現したいですか。

竹内氏 : 人材ビジネスで言えば、課題の一つにカルチャーフィットがあります。

例えば、体育会系文化の会社に主張の苦手な方が入社しても、あまり幸せにはなれない可能性が高い。部署異動でも同じですよね。

転職という行動は増えてきたと思いますが、全員が幸せな転職ができているかというと、そうはなっていないのが現状だと思います。

その場所で働く時間が良いものになるためには、カルチャーや自分自身の好き嫌いなどもマッチしないといけないのです。そのためにはファジーな情報をマッチングさせる必要があり、単純に雇用条件だけで量れるものではありません。

採用のさらに先を見据えて、より活躍できる場所を選択できる世界をAIで実現できたらと思っています。

※ 本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合がございます。予めご了承ください。

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