AI人材に必要なもの [1] NICT 大西氏「課題の本質を捉える力」

AI人材に必要なもの [1] NICT 大西氏「課題の本質を捉える力」

[2018/01/01 08:00]山田井ユウキ ブックマーク ブックマーク

今後、AIを活用する企業で重宝されるスキルとは?

――企業としてAI活用を推進するために、必要なスキルや人材像を教えてください。

大西氏:AIと言うと数学やプログラミングのイメージがあるかもしれませんが、ただAIを活用するだけならばそういった知識は必要ありません。AIが得意なことを理解し、課題の本質を捉える能力があれば十分だと思います。

――「課題の本質を捉える」とは?

大西氏:AIには得意なことと苦手なことがあります。今、目の前にある課題をAIが得意とするフレームに落とし込めるかどうかがポイントです。例えば、これまで人手で行っていた商品の検品をAIに任せてコストを削減したいとしましょう。「検品」とは、目で見て、不良品を弾くという作業です。これはつまり人の目で「画像認識」をしているわけです。ということは、カメラなどを使って商品を画像認識し、不良品のパターンをAIに学習させればいいのではないか……という風に考えられます。これが、課題の本質を捉えるということです。

――なるほど。そういった能力を磨くのに効果的な方法はありますか?

大西氏:課題の本質を捉える能力は、普段から「課題を細分化すること」を心掛けると鍛えられていきます。何か課題を前にした際、その課題をできる限り細分化してみるのです。先ほど例に挙げた検品作業も、人がほぼ同時に行っている「見て判定する」という2つの作業を、あえて「見ること」と「判定すること」に分けて考えます。とにかく可能な限り小さな単位に分けることが重要です。やろうと思えば、「判定する」という作業も、さらに細分化できるでしょう。

――「AIに向いている」のは、どんなタイプの人でしょうか。

大西氏:物事を多角的に捉えることができる人はAI活用に向いていると思います。後は意外に思うかもしれませんが、とにかくデータを作れる、または集められる人ですね。現在のAIはとにかくデータが勝負です。いかに課題にフィットする質の良いデータを大量に集められるかにかかっています。データを集めるのは非常に大変で、実はテクニックのいる作業です。

ここで言う「テクニック」には、2種類あります。1つは人手でデータを作成する際に、質の良いデータを作るためのテクニックです。これは主にマニュアルの作成方法や、データを作成する人への作業内容の伝え方になります。人手でデータを作成するのは簡単だと思うかもしれませんが、人によって判断が異なるようなラベルを付与する際は、基準がバラバラにならないよう細心の注意を払う必要があります。

もう1つは、データをより大量に準備する際のテクニックです。例えば、「何らかの正解ラベルが付与された1,000万件のデータを3日で集めてください」と言われたときに、効率良く集めるためのアイディアが浮かぶかどうかです。

こういった場合、私はまず人手で非常に質の良いデータを少数作ってAIに学習させます。そして、そのAIを使ってさらに大量のデータを集める、というテクニックを使うことが多いです。これ以外にも、データ収集のためのテクニックやノウハウは知っておいて損はないでしょう。AIを活用しようとしている企業では、今後、データ作成・収集のノウハウがある人材が重宝されると思います。

――逆に、「AIに向いていない」タイプはありますか?

大西氏:テクニックは学習することで身に付きますが、ノウハウは「やってみて初めてわかる」という面が大きいので、失敗を恐れずどんどんチャレンジしていくことが重要になります。そういう意味では、新しい物事にトライするのが苦手なタイプの人は、AIを使うのに苦労するかもしれませんね。

――企業としてAI人材を育成するには、どこから手を付ければよいのでしょうか。

大西氏:そもそも「AIとは何か」という質問に答えられない人が多いのではないかと思います。AIに対してふわっとしたイメージのまま語ってしまってはいないでしょうか。そんな状態の上司が、部下に対して「AIを活用してくれ」と言ってもどうしようもありません。

まずは「AIとは何者なのか」を知ることが重要です。「知る」と言っても数式をがんばって理解するという意味ではなく、AIが実際にどういうことをしているのかを概念として理解するということです。それさえ把握してしまえば、AIは意外とシンプルなものなので、どうやって使えばよいかも徐々に理解していけると思います。

※ 本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合がございます。予めご了承ください。

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