技術の追求だけがイノベーションを生むわけではない! 「Wonder推進室」が示す、これからのパナソニック

[2017/10/06 08:00]周藤瞳美 ブックマーク ブックマーク

BtoB事業向けの展示会から生まれた「メガホンヤク」

近年力を入れているBtoB事業を加速させるため、Wonder推進室は、開発中の技術やソリューションを大々的にプレゼンテーションする展示会「Wonder Japan Solution」をこれまでに計3回開催してきた。

メガホン型の翻訳機「メガホンヤク」もこの一連の取り組みから誕生したという。

メガホンヤクの紹介サイト。Wonder推進室が消費者の声を反映して開発した商品の一つ

展示会の段階では、タブレットやペンダントタイプの自動翻訳機であったというが、利用シーンを絞って商品価値をわかりやすく見える化できないかという発想から、Wonder推進室がデザイン部門と共同でメガホン型のプロトタイプを開発。1カ月後に開催されたJR博多駅のイベントにてその姿を披露した。

「デバイスを小さくすることは技術的に大きなチャレンジ。技術者の観点では、ペンダントタイプの自動翻訳機というのは自然な帰着だと思います。しかし、利用者の立場からすると、機能をそぎ落とし、シーンを特化してわかりやすくすることも大切です。メガホンヤクは、拡声器を模していて、持つだけで『何か重要なアナウンスがあるのではないか』と注目してもらえるとのご意見もいただきました。特に大勢の方がいるような場所で訪日外国人の方を誘導するケースなどで重宝されています」(井上氏)

参加者からの評価は高く、さまざまなメディアにも取り上げられた。井上氏は「お客様の声を聞くことによって物事が加速し、結果的にブランドイメージのアップにもつながった」と振り返る。

「パナソニックはBtoCの家電メーカーとしてのDNAがあり、商品は完成するまで世に出さない、事業化が決まっていないものは出せない、という文化がありました。しかし、海外の先進的なBtoB企業では、コンセプトの段階から世に発信して賛同者を募り、お客様と共に開発していくという流れで進めているプロジェクトもあります。また社会のインフラを変革し、新しいライフスタイルを提案しようとすると、さまざまな企業を巻き込んで進めていくことが必要です。企業としてのパナソニックの姿勢を見ていただき、新規事業を加速していくための仕掛けとして、Wonder Japan Solutionのような場は非常に重要であると考えています」(井上氏)

フエルサブルータはサイネージ技術のショールーム

冒頭で紹介したフエルサブルータへの協賛・技術提供も、BtoB事業を加速させる取り組みのひとつだ。フエルサブルータの会場は、プロジェクションや液晶モニタなど、エンターテインメント業界だけではなく、さまざまな商業施設に向けたサイネージ技術のショールームと捉えることができる。

フエルサブルータの会場の様子。デジタルサイネージの活用を前提に設計されている(写真はパナソニック提供)

サイネージは、施設が完成した後に導入するのが従来の流れであったが、建築業界にも「これまでにない空間を創りたい」というオーダーが増えており、設計の初期段階から映像設計、情報設計を検討するケースが増えているという。フエルサブルータの会場に対しては、会場施設にカスタマイズした壁面造作を足すかたちで、建築と映像が融合した空間を創り上げ、幻想的な空間を作り上げることに成功した。

また、単に視覚的なインパクトがあるだけでなく、サイネージを利用した広告動画や物販カウンターへの誘導など、新しいサービス展開も想起させるような空間となっている。

井上氏は、「サイネージ事業は、ただ液晶モニタを売って設置するだけでなく、その活用方法の提案までを行えるような事業にしていかなければならないというビジョンがあります。従来のパナソニックのものづくりの強みと、私のようなコンテンツを制作してきた者の知見を掛け合わせることで、体験全体をプロデュースすることができるということを示したかたちになります」と説明する。

Wonder推進室では現在、Wonder LABという新しい価値発掘に向けた活動の場の支援も行っている。Wonder LABから生まれてきた価値や技術を、Wonder賞で発掘・表彰し、ショーケーシングや社会実装へと繋げていく――このWonder!のサイクルを回していくことで、Wonder推進室はこれからも、パナソニックのブランドイメージと行動の変革をさらに推し進めていきたい考えだ。

※ 本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合がございます。予めご了承ください。

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