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「走行画像データ×AI」でスバルが挑む自動運転の次なるステップとは?

[2017/09/15 08:00]小池 晃臣 ブックマーク ブックマーク

AI開発の「カギ」は200万キロ超の走行画像データ!

スバルの運転支援システムの歴史は、1989年に車載用ステレオカメラの開発を開始したところから始まる。その後1999年にADA(アクティブドライビングアシスト)を世界で初めて開発・実用化し、2008年には次世代ADAとなる「Eye Sight(アイサイト)」を発表。当時、ステレオカメラのみで各種機能を実現したのは世界初のことだった。

その後2010年に「アイサイトver.2」を発表すると「ぶつからないクルマ」として大ヒット。そして2014年より「アイサイトver.3」へと進化し、カラー化や広角化によってさらに多くの対象物を複数同時に認識できるようになった。例えば赤信号や赤いブレーキランプも認識して自動ブレーキが可能となっている。

そのアイサイト(Ver2/Ver3)を搭載した車の累計台数は、世界で100万台以上、国内でも50万台を超えており、現在のアイサイトの装着率は90%以上に及んでいるという。

樋渡氏によると、他の自動車メーカーの自動ブレーキシステムのなかには、実環境下や実環境を模擬したコースでは働かないモノもあるという。一方、スバルでは高い安全性を追求するために、実環境を模した設備を用意したり、実路走行によるテストを繰り返したりと、独自の取り組みを行っている。これにより、低速域から高速域までシームレスに、危険を察知すると安全に止まる仕組みを実現しているのである。

「アイサイトを搭載することで、6割以上も事故を防止できていることが判明しています。この安全性を拡大すべく、目下アイサイトのグローバル展開を積極的に進めているところです」(樋渡氏)

そしてこの夏にアイサイトはさらに進化を遂げ、新機能「ツーリングアシスト」を追加。これにより「加速・操舵・制動のうち複数の操作をシステムが行う」という自動運転の「レベル2」の領域へと突入した。ツーリングアシストは、先行車の位置と写真の位置をうまく組み合わせてアクセル、ブレーキだけでなくハンドルも制御することができる。この機能は、今夏に発売された新型レヴォーグとWRX S4の全車種標準装備となっている。

「こうした先進的な運転支援や安全機能は普及してこそ意味があるため、求めやすい価格で提供するようにしました。当社の高度運転支援技術は今後さらに技術レベルを進化させ、『究極安全』を目指していく」と、樋渡氏は力強く語った。

スバルは今後の運転支援技術の高度化に向けた技術開発に活用すべく、北海道・美深試験場のテストコースを約30億円投じて改修。高速道路のカーブ、分合流、市街地を想定した交差点などを再現したコースを今年度中にも運用開始予定だ。

さらに、AI(人工知能)への取り組みも加速させている。このほどIBMの協力の下、膨大な実験データを統合的に管理システムを構築し、運用を開始した。

スバルの人工知能への取り組み

「当社は長年のアイサイト開発のなかで200万キロを超える世界中の走行画像データを有しており、この膨大な実験データ、つまりビッグデータこそアイサイトのAI開発のカギだと考えています。アイサイトとAIの組み合わせで、顧客の『安心と楽しさ』の可能性をさらに広げたいのです。『枠をはめたらスバルじゃない!』という我々の哲学を貫きながら」──樋渡氏は力説し、講演を締めくくった。

※ 本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合がございます。予めご了承ください。

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