目指すは国内20万室導入! ホテル向けスマホ「handy」が好評なワケ

[2017/08/29 08:00]山口健太 ブックマーク ブックマーク

ソリューション

ホテル向けスマホならではの機能

handy端末には、ホテル向けスマホならではの機能として「プッシュ配信」が搭載されている。ホテル側は宿泊客に向けて、「レストラン利用の際にドリンク無料」などさまざまなサービス特典をプッシュ配信することができる。それを活用することで効果的にホテル内施設の利用促進につなげることが可能だ。

また、ホテルが展開する会員プログラムとの相性も良いという。「ホテル業界ではメンバーシップを増やしたいというニーズが強くあります。会員プログラムの会員数を増やしていく手段の1つとしてhandyのプッシュ配信で魅力的な新規会員特典を発信すれば、会員プログラムへの登録を促すことができます。そうすることで、将来的には予約サイト経由の予約ではなく、ホテルへ直接予約するメンバーが増えていくと思います」と服部氏は期待を寄せる。

端末本体は鴻海の端末をベースにしたシャープ製のAndroid機で、防水やおサイフケータイには対応しない。NFCやBluetooth、赤外線といった通信機能は搭載しており、将来的にはルームキーとしても使えるようにするなど拡張の余地を残しているという。

室内での充電には、専用の充電台を利用する。端子にはマグネット式のアダプターを装着しており、充電台に軽く置くだけで充電できるのは便利だ。アダプターを取れば一般的なMicroUSBポートになっており、外出先でモバイルバッテリーなども利用できる。

本体下部のMicroUSBポートにマグネット式アダプターを装着

データ通信はドコモのMVNOとして提供しており、データ量や速度の制限は特に設けていないという。「YouTubeの動画が遅延なく見られる程度に制御しています」と野本氏は説明する。SIMカードにはロックをかけており、カードだけを抜いて他の端末で使うことはできない。テザリングも非対応だが、今後はホテル向けにオプションでの提供を検討しているという。

ホテル向けのデバイス管理機能として、スマホの位置情報はホテルの管理者が把握できるようになっている。紛失した際にはリモートからのデータ消去も可能だ。宿泊者のチェックアウト後には端末データを完全消去する。「海外での展開実績を踏まえ、セキュリティ面に配慮している」(野本氏)と語った。

国内外の宿泊客に好評なのは?

では、handyを導入するホテル側の狙いはどこにあるのだろうか。1室あたり月額980円という料金は、1泊あたり約33円となる。

服部氏は、そのコスト負担を「決して無視できる金額ではない」と語る。だが、サービスを向上させ、部屋単価を高めていく施策の一環として日本初の導入を決めた。

handyを先行導入したことで、他のホテルからも事例見学の問い合わせが殺到するほどの反響があり、訪日客を対象とした旅行代理店からの評価も高いという。

2017年8月時点で、ロイヤルパークホテルでのhandyの利用率は40%程度。言語は日本語、英語、中国語に対応しており、約半数の客が日本語を選択する。認知度を上げるためフロントに端末を設置しているほか、エレベーターホールなどの掲示物により、「無料で利用できるスマホ」としてアピールしている。

フロントやエレベーターホールで存在感をアピール

日本人宿泊客が主に利用するのは観光ガイドのアプリで、handy端末を観光に持ち出して使える点が好評を博す。訪日外国人からは日本で手軽にデータ通信ができることが受けており、テザリング対応への問い合わせも増えているという。

既に楽天トラベルなどの予約サイトでは、ホテルの詳細ページにhandyの情報を掲載。「海外のホテルでは、handyの有無がホテル選びの基準として重要になってきています」と野本氏は語る。

とは言え、スマホを宿泊客に貸し出す上で懸念されるのが、破損や紛失だ。handyでは導入台数の10%を予備機として納入することで、紛失や破損にも対応する。2017年8月時点ではロイヤルパークホテルでそうした事例は起きていないが、海外では年間で3%程度が予備機に交換されるとしている。

今後の目標として、handyは世界で100万室、日本国内でも20万室の利用を目指す。2017年8月上旬時点で、7万室から予約が入っているという。「ホテルの部屋に入ればそこにはスマホが用意されている」というサービスも、珍しいものではなくなりそうだ。

※ 本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合がございます。予めご了承ください。

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