企業成長の「鍵」は人材! 進化するHRテクノロジーの潮流と人事の取り組み

[2017/08/24 11:40]齋藤公二 ブックマーク ブックマーク

ソリューション

オラクルの人事変革「3つのフェーズ」

続いて登壇した遠藤氏は、「Oracle人事部が語る、経営をサポートする人事の新しい取り組み」と題し、オラクルにおけるHRテクノロジーの活用状況とその効果について解説した。

日本オラクルの執行役員 人事本部長 遠藤有紀子氏

オラクルの事業拡大は、M&Aと密接な関係がある。同社が実施したM&Aは過去10年で110社に及び、2005年に5万人だった社員は2016年には13万6,000人と約2.5倍に増えた。

「タレントを獲得することはオラクルの成長にとって不可欠です。ただ、社員が増えても人事の数は同じです。われわれ人事が直面したのは生産性を2.5~3倍に高めること。これは、テクノロジー無しにはできなかったことです」(遠藤氏)

経営環境としても「VUCA」(Volatility:変動性、Uncertainty:不確実性、Complexity:複雑性、Ambiguity:曖昧さの頭文字をとった造語)と呼ばれる予測困難な環境が当たり前になってきた。変化が完全に見えてから施策を打つのでは、遅すぎるのだ。そのため、人事のミッションとしても「経営資源を有機的に結び付け、効果的・効率的に経営に活用することで、予測できない事態に柔軟に対応できる組織力を培う」ことが強く求められるという。

「人事のミッションとゴールはビジネスに直結しています」(遠藤氏)

オラクルにおける人事の変革は、大きく、2000年代の「標準化」、2007年からの「人事機能の生産性向上」、現在取り組んでいる「従業員エクスペリエンス向上、リーダー・マネジャーエクスペリエンス向上」の3つのフェーズに分かれる。

このうち標準化とは、人事プロセスやM&Aプロセスを各国で共通化することで、M&Aによる人員増加に効率良く対応していくことを指す。人事データベースは70個あったがグローバルで1つに統合。その結果、2005年からはPeoplesoft、Siebel Systems、Hyperionなどのアプリケーション企業を、2009年からはSun Microsystemsなどのハードウェア企業を次々に買収していったが、標準化によって、社員の採用や面談、合否の判断、オファーレターなどは同じプロセスで行うことができたいう。

「日本の場合は、私を含め2人で対応してきました。買収に伴って必要な人事プロセスは大体1~2カ月です。徹底した標準化とシステム化によって、そのくらいのスピードを実現できるようになりました」(遠藤氏)

また、人事機能の生産性向上とは、シェアードサービス化やCenter of Excellenceの設立、HRビジネスパートナーの活用、ダイレクトリクルーティングモデルの採用などを指す。これらによってプロセス・制度中心の事務処理や周辺業務を削減し、戦略的な人事業務にフォーカスできるようにした。例えば、経営方針を決定するのに必要な情報を提供したり、経営戦略の進捗を定期的に確認し、施策を推進したりといった業務だ。

そして、現在取り組んでいるのが、アナリティクスやモバイル、ソーシャルを活用した新世代型人事への変革だ。こうした取り組みでカギになっているのがクラウドで、Taleoを使った社内外候補者の公募登録システムや、「Oracle HCM Cloud」を使ったパフォーマンスマネジメント、「Life@Oracle」という社内Webサイトを使ったキャリアストーリー紹介、各種ラーニングブログラムを実施している。

クラウドを活用した人材サイクル

「人材育成に関するITツールとしては、いつでもどこでも新聞や雑誌、ビデオなどを使って学習できるVirtual Library、オンラインラーニング、社内SNSなどがあります。人材交流では、O tubeという動画投稿サイトがあり、社員がさまざまなアイデアを投稿して交流できるようになっています」(遠藤氏)

Virtual Library

動画投稿サイト「O tube」のイメージ

最後に遠藤氏は、「オラクルでは、モバイルとクラウドを活用して外出先や移動中でも承認したり、学習したりできる環境を整えています。テクノロジーは単なる効率化の手段としてだけでなく、競争力のある人材育成の重要なカギです。人と組織を強化し、企業競争力をつけていこうとしています」と強調し、講演を締めくくった。

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