マイナビニュースマイナビ

地域医療の課題を解決せよ! 健康指導にApple WatchとiPhoneを活用した関市

[2017/06/05 08:00]小池 晃臣 ブックマーク ブックマーク

iPhone・Apple Watchを活用したデータ集約 - 関市の試み

このような課題を解決するために、関市が今年度に開始した新たな取り組みが、iPhoneを活用して個人の健康管理・記録の煩わしさを解消するというものだ。その主な狙いとしては、以下の4つが挙げられる。

  • 利用者は毎日計測するだけでデータが自動的に記録され、煩わしさを解消できる
  • 個人の健康状態が見る化され、利用者自身の健康への関心度も高まる
  • 管理する側は、必要なときに必要なデータを入手でき、効率化が図られる
  • 集められたデータ分析が可能となり、これからの対策にも活用できる

「利用者個人がiPhoneを活用して自分の健康を管理することを、行政が支援するという取り組みです」と加藤氏は強調した。

市によるiPhoneを活用した保健指導事業では、Apple社の「CareKit」を用いて開発された個人向け健康管理アプリ「The Diary」と、クラウドを使って健康データを集約するシステム「Diary CarePro」が導入されている。

保健指導の対象者は、iPhoneやApple Watchを携帯して、対応した測定機器で体重や血圧を毎日計測するだけでよい。歩数や脈拍数、体重、血圧などの日々の健康データは自動的に自分のiPhone内に記録され、クラウドを通じて保健センターの保健師と共有される。

これにより、利用者はいつでも自分自身の健康状態を確認でき、保健師もまた利用者のデータをいつでもiPad上で確認できるのだ。保健師はこれまでのように対象者の来所や連絡を待つ必要がなくなり、共有されたデータを見てメールや電話で健康指導を行える。

今回の事業の対象者は、ヤング健診や特定健診を受診し、保健指導の対象となった人のうち希望者(定員20人)で、自身で既にiPhoneを所有している人、となっている。使用機器は、自己所有のiPhone、市から無償で貸し出されるApple Watch、保健センターで使用するiPad、自己所有の計測機器となっている。運用期間は2017年4月から2018年3月までで、実計測期間は3カ月程度となる。

具体的な実施内容としては、まず市から対象者にApple Watchを無償で貸し出し、日々の健康データを記録してもらう。このデータを共有しながら、保健センターが健康指導を実施するというものだ。ただし保健センターが取得するデータ項目は、歩数、体重、血圧となっている。

加藤氏は「我々が目指すのは、iPhoneやApple Watchを利用して日々の健康データを簡単に記録できるようにすることで、保健指導の実施率や継続率を向上させるだけでなく、対象者本人が自身の健康・医療情報を経年的に把握できる仕組みを構築することです」と強調する。

身近なデバイスを活用し、自分の健康や身体について知ることで、自身の健康に対する意識や関心を高めていくことこそが、この事業の最大のねらいというわけだ。

「全国でも地域医療に関して同様の課題が山積しているはずです。ヘルスケアシステムを実証的に導入し、地域課題の解決に一歩でも近づけたらと願っています」(加藤氏)

※ 本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合がございます。予めご了承ください。

もっと知りたい!こちらもオススメ

ビッグデータ解析で変化を促進せよ! ヘルスケアIoTがもたらす社会の理想形

ビッグデータ解析で変化を促進せよ! ヘルスケアIoTがもたらす社会の理想形

4月19日から21日にかけて開催された「ヘルスケアIT 2017」では、ヘルスケアIoTコンソーシアム事務局 ニューチャーネットワークス コンサルタントの会田明代氏が登壇し、ヘルスケアIoTによって実現し得る社会の姿と、その普及に向けて直面する課題について講演を行った。

関連リンク

この記事に興味を持ったら"いいね!"を Click
Facebook で TECH+ の人気記事をお届けします
注目の特集/連載
[解説動画] Googleアナリティクス分析&活用講座 - Webサイト改善の正しい考え方
Google Workspaceをビジネスで活用する
ニューノーマル時代のオウンドメディア戦略
ミッションステートメント
次世代YouTubeクリエイターの成長戦略
教えてカナコさん! これならわかるAI入門
AWSではじめる機械学習 ~サービスを知り、実装を学ぶ~
Kubernetes入門
SAFeでつくる「DXに強い組織」~企業の課題を解決する13のアプローチ~
AWSで作るマイクロサービス
マイナビニュース スペシャルセミナー 講演レポート/当日講演資料 まとめ
セキュリティアワード特設ページ

一覧はこちら

今注目のIT用語の意味を事典でチェック!

一覧はこちら

会員登録(無料)

ページの先頭に戻る