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地域医療の課題を解決せよ! 健康指導にApple WatchとiPhoneを活用した関市

[2017/06/05 08:00]小池 晃臣 ブックマーク ブックマーク

健康指導の現実 - 人々の意識の低さが浮き彫りに

こうして関市では、後期高齢者の増加を踏まえた健康づくりの促進へとシフトすることを決定し、介護が必要な状態を防ぐために、予防や維持に向けた取り組みを進めている。つまり「病気を治療する」という考え方から「病気を管理する」、「健康を維持する」ことへとシフトしたのだ。

「住民が自分自身で健康を管理・維持することを自治体がサポートしていく、という姿勢で取り組んでいます」(加藤氏)

現在、関市が行っている健康指導には、大別すると40~74歳までを対象にした「特定健康診査」「特定保健指導」、30~39歳を対象とした「ヤング健診」の2つがある。これらの健康指導は、「健診Web予約システム」を通じて24時間予約することが可能となっている。

まず、特定健康診査については、受診率は年々確実に増加しているものの、決して高い数字だとは言えない状況にあるという。特に40代、50代の若い世代の受診率が低い。

また、特定保健指導は、健診結果に応じて程度の重い人を対象にした「積極的支援」と軽い人を対象にした「動機付け支援」に分かれている。このうち積極的支援では、対象者の利用率が低いことが問題となっている。

例えば、2015年度の利用者は、全対象者のうちの6.0%しかいなかった。さらに6.0%・8人の実施者のうち、最後までやり遂げた修了者はわずか1人だったのだという。前年の2014年度に至っては、12人実施して修了したのはゼロだ。

「これが関市の健康指導の現実です。現場の保健師が大いに悩んでいるのが、数字にも表れています」と加藤氏。

一方、検診Web予約システムで24時間健診を受け付けるようにしたところ、20~49歳の健診受診者の4割以上がWebから予約しているという。

保健指導プロセスが抱えていた課題

以上の数字から見えてきた課題を整理すると、大きく以下の2つとなる。

  • 特定健診受診者のうち、積極的支援の対象者の特定保健指導の利用率が低い
  • 特定保健指導を実施するものの、プログラムの終了率が低い

特定保健指導のプログラムは、体重、歩数、血圧、食事など、毎日の記録をとることが必要となり、利用者にとって継続は面倒で続けられないことが想定される。保健師による健康指導と言っても、実際には個人の健康管理記録がベースとなるので、個人の健康管理が徹底していないと指導も効果が得られないのだ。

従来の特定保健指導は、次のような流れで進められていた。まず保健指導を開始するに当たり、保健師は利用者本人と面談してプログラムを決め、健康データは利用者が自分でノートに記録。利用者は保健師と定期的に連絡をとり、ノートの記録を基に保健師がアドバイスを行い、最初に決めた目標に向かって健康管理を進めていく。

だが、このやり方には課題があった。

「そもそも自分の健康に関心がない人ほど、検診で悪い結果が出て指導の対象になる傾向にあります。そのような関心の低い人が毎日自分でノートに記録などしてくれるでしょうか? 日々の仕事に追われる若い人が、定期的に保健師に連絡をとって指導を受けなければならないというのも大変です。ここに問題があるのは明らかでした」(加藤氏)

※ 本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合がございます。予めご了承ください。

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