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AIは日本の労働力不足を救う! 協調する世界のために必要なのは「理解」

[2017/05/19 08:00]小池 晃臣 ブックマーク ブックマーク

今、ディープラーニングでできるコト

現在の第3次AIブームにおけるAIは、これまでとは何が違うのだろうか。山田氏は、主な違いとして次の3項目を挙げた。

  • 統計的機械学習やデータマイニングがブームを牽引
  • ニューラルネットワークの復権による人間の脳を模倣したアプローチ
  • AI実用化ブレークの背景にあるビッグデータやIoTなど

また、ともすれば「AI=ディープラーニング」という世間の認識について山田氏は、「それは間違った認識で、ディープラーニングはあくまでAIのなかのごく一部に過ぎない」と強調した。

一方、ニューラルネットワークの復権に大きく貢献しているのもディープラーニングだ。ディープラーニングは、ニューラルネットワークを何層も組み合わせて構成されている点が「ディープ」と呼ばれるゆえんであり、これは人間の脳と同じ構造だ。

そもそもディープラーニング自体は、1979年に福島邦彦氏が発表した「ネオコグニトロン」の枠組みをそのまま継承したものである。発表当時はコンピューターパワーが極めて小さかったっため、簡単な文字認識にしか応用できなかった。それが今では十二分なコンピュータパワーが手に入ったことで、さまざまなことに応用できるようになったのだ。

ここで山田氏は、ディープラーニングの成功例をいくつか紹介した。まず1つ目が、「一般物体認識」である。2012年に海外で開催されたAIコンペティション「IMAGENET Large Scale Visual Recognition Challenge」では、1,000カテゴリ(1カテゴリー約1,000枚)の訓練画像の認識をディープラーニングで実施したところ、以前は25%程度でせめぎ合っていた認識エラー率が、一気に約15%にまで縮まったのである。

「AI研究者にとってこの10%は非常に大きな衝撃でした。コンペ後には上位のアルゴリズムが公開されて、皆が研究に邁進していったのです」と、山田氏は振り返った。

もう1つの成功例が、「AlphaGO」だ。これには「モンテカルロ木探索+強化学習」という手法が使われているのだが、モンテカルロ木探索においていちいち全てを調べるのではなく、一部から推測するための技術としてディープラーニングが使われたのである。

こうした成功例のあるディープラーニングだが、山田氏曰く「万能ではない」。まず、おびただしい数のパラメーターが必要であるため、初期値が重要であり、決めるのが難しいポイントでもあるのだが、その難しさは「黒魔術的チューニング」と呼ばれるほどだ。また、膨大な訓練データが必要な上、理論的な基盤が欠如している。さらに、上手くいくかいかないかが予測不能であり、やってみないとわからない部分が大きい。

「理論的な基盤の欠如は統計的機械学習と対象的であり、日本の研究者がディープラーニングを避けがちな要因となっています。また、なぜ成功・失敗したかがわからないため、応用分野選定のノウハウがなかなか蓄積されない点も、ディープラーニング普及の障壁となっていると言えるでしょう」(山田氏)

※ 本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合がございます。予めご了承ください。

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