事例・現実で考える「理想の働き方を実現する方法」 - IT Trend 2016

[2016/10/17 12:30]伊藤正子 ブックマーク ブックマーク

課長職以上への義務化でテレワーク普及を推進! 佐賀県庁の英断

では、実際にテレワークを導入するには、何から始めればよいのだろうか。

舘野氏は「まず、業務のとらえ方を変えたほうがよい」と指摘する。陣内氏も同意し、「『テレワークに移行できるような業務がない』という思い込みを捨てることが大切」と強調。

「業務の仕分けから始めることになりますが、やってみればできることはあります」(陣内氏)

また、一般にテレワークと言うと、自宅や外出先、移動中といったオフィス外でITを活用して業務を行うイメージがある。だが、オフィス内で自席から離れたところにあるフリースペースや廊下も、本来テレワークの守備範囲だ。これも一種の固定観念にとらわれているのかもしれない。一部、Wi-Fiなどの整備は必要になるが、こうした社内のテレワーク環境の整備は比較的、着手しやすいところだろう。

テレワークを実践するには、発想を変えてその範囲・目的を再考することが必要になる

もう1つ、佐賀県庁がテレワークを推進する上で実践したことがある。それは、テレワークの義務化だ。

2008年、都道府県初の在宅勤務制度を導入した佐賀県だったが、当時はまだ福利厚生としてとらえられており、人事部が育児や介護のためにテレワークを希望する人を募集する形式だった。数年が経過したものの普及が進まなかったことから、その打開策として2013年、課長職以上に原則週1日以上のテレワークを義務化したのだという。

「この施策を実施したのは、『本当はやってみたいが、上司がやっていないとやりづらい』といった声があったからです。実際、課長職以上の人たちに『意外と(テレワークは)使える』と気づいてもらうことができ、一般社員がテレワークしやすくなりました」(陣内氏)

自宅で作業できるようにしたのはもちろんだが、小さな子どもがいたりして自宅では仕事をしづらい人向けに、サテライトオフィスも用意した。これにより、テレワークに対する障壁や、テレワークできない言い訳がなくなった。

当初は、週に1日、課長職が社内にいない・いられないことに対する不安もあったが、メールのやり取りだけでも意外とコミュニケーションできることがわかった。まずは「やってみる」というフェーズを経験してもらうことが重要だったのだ。今は義務化していないが、「自然体でどんどんやってもらっている」(陣内氏)という。

こうした取り組みは、トップダウンでテレワークの義務化を決定しただけでなく、同時に現場から上がっていた「タブレットを導入したい」という声を組み合わせることで実現された。

「トップダウンとボトムアップ、その両方をタイミング良く組み合わせることが大切なのかなと思っています。人事・総務系の部門とIT部門が連携すれば、わざわざ専門の組織を立ち上げる必要はありません」(陣内氏)

>> サブテーマは「可視化」 - 3ステップで考えるIT活用

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