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デジタルで目指すリアルの革新! ワコールが推進するオムニチャネル戦略

[2019/09/18 08:00]山田井ユウキ ブックマーク ブックマーク

目指すのは「切り替え」ではなく「革新」

取り組みはすでに始まっている。

その具体例の1つが、3Dボディスキャナーの開発だ。ワコール独自の計測技術で最適なブラジャーを導き出す3D計測器を実店舗に導入。自身のサイズを簡単に計測できる手軽さはもちろん、販売員に触れられることに抵抗を感じる顧客の問題も解消できる。

3Dボディスキャナー自体は以前にも業界で流行したことがあったが、そのときは定着しなかったと下山氏は語る。

「大きな理由は正確性が高くなかったことです。ブラジャーのみならず、衣類の測定には、点と点の距離を測るだけでは不十分だということに行き着きました。そこで、体積の測定と体型特徴の判定までできる独自の計測を開発。これまでのワコールの女性の体の研究、ノウハウがあったからこそ実現できました」

また、パーソナライズアプリも開発。顧客のサイズや購買データなどを記録することで、最適な商品を提案できるようになる。蓄積されたデータは商品開発などにも活用されている。

注目すべきは、こうしたデジタル化に取り組むワコールが、リアル店舗に注力している点だ。例えば、先述の3Dボディスキャナーと接客AIを組み合わせた接客サービス「3D smart & try」は東急プラザ表参道原宿のショップで提供されており、同店舗は「次世代型ショップ」と位置づけられている。

リアルの世界にこだわるのは、「そこにワコールの信念があるから」(下山氏)だという。

「ワコールには世界的なハイブランドほどのブランド力はありません。しかし、海外も合わせて事業規模約2000億円まで成長できたのは、『一人一人のお客様に手から手へお渡しする』ことを続けてきたからです。そこに物語や付加価値を感じていただけているのではないでしょうか」

だからこそ、3DボディスキャナーやAIなどのデジタル技術を導入した今もワコールが大切にしているのは「人」だと下山氏は強調する。

「3Dボディスキャナーでサイズを計測でき、AIにお薦め商品を聞けるなら、販売員がいなくても商品は選べます。しかし、そんな東急プラザ表参道原宿のショップでも、お客様のほうからスタッフに声をかけていただくことが予想以上に多いのです。やはりサービスが行き着くところは”人”なのかもしれません」

アナログからデジタルへ切り替えるのではなく、デジタルの力でアナログを革新していくこと――それがワコールの考えるオムニチャネル戦略なのだ。

※ 本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合がございます。予めご了承ください。

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