ICTの力で農業革命を。ITベンチャーの挑戦 - AWS Summit Tokyo

[2016/06/10 09:20]山田井ユウキ ブックマーク ブックマーク

差別化要因は顧客との信頼関係にアリ

もっとも、ファームノートにも競合がいないわけではない。では、ライバルに対してはどのように差別化を図っているのだろうか。

小林氏は、競合他社との決定的な違いとして「アンバサダー」の存在を挙げている。アンバサダーとは、ファームノートを自ら率先して広めようとしてくれる熱心なユーザー、すなわちファンのことだ。顧客がファンになってくれるのは、ファームノートがそれだけ酪農家との関係をしっかり構築してきたから。そうした信頼関係こそが、同社にとっての差別化要因になると小林氏は自信をのぞかせた。

また、カスタマー・エクスペリエンスについても常に意識している。クラウドやスマートデバイス、ソーシャルがあらゆる分野にパラダイムシフトを起こしたが、酪農業においてもそれは例外ではない。Farmnoteがユーザーに与える一番の驚きとは「牛の目の前で、その牛のデータが見られる」こと。これこそが、カスタマー・エクスペリエンスなのだと小林氏は熱弁を振るった。

キーワードは「Go GLOBAL」。農業を成長産業に!

さらに、AIにも注目している。Farmnoteを活用して集まる大量のデータから、AIによって最適な答えを導き出すことができれば、酪農業における意思決定のスピードは上がる。そうなれば、これまでかかっていた労働コストの一部を別の機会に充てることができるわけだ。

加えて、センサー技術を使った新たな取り組みもスタートしている。牛に装着したセンサーから収集したデータをクラウドに転送し、牛の状態をリアルタイムに解析。発情や疾病など、注意を必要とする牛をスマートデバイスに通知するという仕組みだ。牛同士の個体差は、AIが学習することで判断できるという。小林氏はこのほかにも、牛舎に吹く風や温度といったさまざまなデータを収集・分析することで、酪農業、ひいては全ての農業をサポートするというビジョンを描いている。

最後に示されたキーワードは「Go GLOBAL」。すなわち、ファームノートは世界No.1の農業ICTカンパニーを目指すということである。世界の農地はこれ以上増やすのが難しいところまできているが、ICTによって農業革命を起こすことは可能だと考え、その先駆けとなるのがファームノートの次なる目標だ。小林氏は、講演の締めくくりとして「農業を衰退産業にさせず、成長産業にする」と断言してみせた。

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