不動産投資で自己資金はいくら必要なのか?頭金の確保方法まで解説

不動産投資であれば不労所得になり、本業に支障をきたさず資産を増やすことができます。しかし不動産投資を始めるために気になるのが、自己投資でいくら必要かということです。何百万円も必要であれば多くの人は簡単に用意できず、別の投資方法を検討してしまいます。

そこでこの記事では、不動産投資には自己資金がいくら必要なのかと、無理をしないで資金を捻出する方法について解説します。投資は基本的に長く続けるほど、利益を期待できます。自己資金の不安をなくして早く不動産投資を始めるため、ぜひ参考にしてください。

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目次

不動産投資は自己資金なしで始められない

株やFX、仮想通貨など投資の種類は沢山ありますが、その中でも不動産投資は金融機関から融資を受けて始めることが可能です。融資を受けるなら自己資金はなしでも問題ないと思ってしまいますが、次の3つの理由で始められません。

  • 不動産投資の手続きで費用がかかる
  • 頭金ゼロでは融資の審査の難易度が上がる
  • 不動産投資のランニングコストで返済のリスク

それぞれの理由を詳しく見ていきましょう。

不動産投資の手続きで費用がかかる

投資のため不動産の購入資金を全額融資してもらっても、初期費用として次のものがかかります。

  • 事務手数料:融資の額で変動する金融機関へ支払う費用
  • 印紙税:融資の契約書作成で必要になる費用
  • 登記費用:不動産の名義を変更するための費用
  • 団体信用生命保険料:融資時に加入する保険の費用
  • 火災保険料:建物の購入で義務づけられる保険の費用

これらの手続きにかかる費用は、物件価格の10%が目安です。賃貸経営を始めるために、5,000万円のアパートを購入する場合は、手続きだけで500万円は用意しておきたいです。

頭金ゼロでは融資の審査の難易度が上がる

融資をしてもらうための審査は、指定する期間内で滞りなく返済できるかどうかがポイントとなります。返済期間の長さは有限で、目的の不動産投資によって必要になる額も決まってきます。頭金をゼロにしては毎月の返済額が増えてしまい、審査に通りにくいです。

融資の種類によっては、上記で紹介した手続きの費用も融資してもらうことは可能です。しかし返済の負担は益々重くなるため、審査の難易度は上がります。

仮に手数料を含めて不動産投資に必要な資金を全額融資してもらえても、完済までに支払う利子だけで1,000万円を超えることもあります。自己資金で頭金を用意していた方が、審査に通りやすく支払う利子も抑えられます。

不動産投資のランニングコストで返済のリスク

不動産投資を継続するためには、様々なランニングコストがかかります。例えば賃貸経営を始める場合、融資の返済だけでなく固定資産税や都市計画税、管理費、修繕費などがランニングコストとなります。

これらのコストは、基本的に収益で支払うことを想定し、利益が出るように経営計画を立てます。しかし計画通りに収益が出る保証はなく、空室が続くようならランニングコストは自己資金から支払わないといけないです。自己資金なしで不動産投資を始め、融資の返済や固定資産税の納税が滞ると、物件は差し押えられ投資を続けられなくなります。

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不動産投資で必要な自己資金はいくらか

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自己資金ゼロで不動産投資を始めるのが難しいなら、実際にいくらあれば問題なく始められるのでしょうか。不動産投資の中には証券化された投資もあり、融資を受けられないものもあります。ここでは2つのパターンについて、自己資金の目安を紹介していきます。

融資を受けるなら物件価格の15~30%

融資を受けて不動産投資を始める場合は、融資の頭金と手続きの費用を合わせて、物件価格の15~30%を自己資金として用意しましょう。自己資金を下げるほど投資の効率は高まりますが、審査の難易度や投資継続のリスクは増えます。日常生活に悪影響が出ない範囲で、用意する自己資金を決めましょう。

投資のため購入する物件の価格ごとで、用意したい自己資金は次のようになっています。

購入物件の種類 購入価格 用意する自己資金
ワンルームマンション 300~600万円 45~90万円
区分マンション・戸建て 1,000~3,000万円 150~900万円
一棟のアパート・マンション 3,000~1億円 900~3,000万円
事業者向けのビル 1~2億円 1,500~6,000万円

格安の中古物件を探すと、500万円程度の自己資金から一棟のアパート経営を視野に入れられます。投資が順調であれば、経営している不動産を担保にして融資を拡大することも可能です。融資を完済できると手元に残るお金は増え、老後の資金不足の不安を解消できるでしょう。

証券化された投資なら1万円からが目安

不動産投資は現物を購入するのみではないです。株のように証券化された不動産を購入し、運用されて利益を得る投資方法もあります。

不動産投資の種類 投資の概要 自己資金の目安
不動産クラウドファンディング クラウドファンディングで1つの物件の購入資金を集め、運用益を分配 1万円~
REIT 不動産の投資信託で分散投資 5万円~
不動産小口化商品 小口化された特定の不動産を購入し、短期運用で利益 100万円~

これらの不動産投資は、いずれも融資は受けられず自己資金だけで始めることになります。不動産投資が初めての人であれば、5万円程度から挑戦できるREITがおすすめです。比較的少額で始められ、分散投資になるから他のものよりリスクが下がります。また流動性も高いため、他の不動産投資に切り替えるのも容易です。

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100万円の自己資金で始められる不動産投資について、詳しく知りたい方はこちらの記事もおすすめです。

100万円で不動産投資はできる?その方法と注意点を徹底解説!

不動産投資の種類とは

不動産投資は、融資を受けて現物を購入するものから証券化されたものまで様々です。主な種類として次のようなものがあります。

  • 一戸建て・区分マンションの賃貸経営
  • 一棟のアパートやマンションの賃貸経営
  • シェアハウスの賃貸経営
  • 土地を貸し出す底地投資
  • 高齢者向け施設の経営
  • 国内外の旅行者向けの民泊
  • 月極やコインパーキングの駐車場経営
  • トランクルーム経営
  • 不動産クラウドファンディング
  • REIT
  • 不動産小口化商品

相続で自身では使う予定のない土地を所有しているなら、駐車場やトランクルームの経営が始めやすいです。設備を業者負担で用意してもらえ、日頃の管理も全て委託できます。

民泊に関しては、新型コロナの影響がある2021年段階では旅行業界の先行きが不安定なため、おすすめできません。高齢者向け施設の経営は、自己資金だけでも数千万円かかりますが、将来の需要は期待できます。

不動産投資がどのような仕組みで稼げるのかを、詳しく知りたい方はこちらの記事もおすすめです。

不動産投資はどんな仕組みで稼げる?メリットやリスクを徹底解説!

自己資金を充てて挑戦する不動産投資の選び方

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数ある不動産投資の中から、自己資金を充てて始めるならどれが最適なのでしょうか。現物をともなう投資は一度始めると簡単にやめられないため、慎重に選ぶ必要があります。また自己資金を1つの投資に全てつぎ込むと、情勢の変化で利益が出なくなったときに、取り返しがつかないです。紹介する3つの選び方を使い、厳選できるようになりましょう。

目標を実現できる不動産投資か

あなたは不動産投資でどれだけ稼ぎたいですか。生活に余裕が生まれる程度でよいのか、本業と同程度の稼ぎが欲しいのかなど、人によって目標は異なります。ポイントはいつまでにどれだけ稼ぎたいかを決めることです。

稼ぎに注目をすると、同じ利回りの不動産投資でも投資額が増えるほど利益は大きくなります。同様に利回りが高くても、投資額は少額なら稼ぎも少なくなります。初期投資や利回りから期待できる利益をシミュレーションして、目標額を稼げるものを選んでください。

不動産投資の利回りについて詳しく知りたい方は、こちらの記事もおすすめです。

不動産投資の利回りって何?利回りの種類や計算方法・平均的な相場を解説

始める不動産投資のリスクを許容できるか

挑戦する不動産投資によりますが、抱えるリスクは次のようなものがあります。

  • 賃料を受け取る投資で空室や滞納
  • 現物不動産の老朽化
  • 災害や事故による建物への被害
  • 将来の金利上昇
  • 購入した不動産を現金化する難しさ
  • 市場の変化による価値の低下

将来のリスクを正確に予測するのは、不動産投資のプロであっても難しいです。特に現物を購入する不動産投資では、売却手続きがスムーズに進んでも数ヶ月かかることがあり、簡単にはやめられません。融資を返済するため追加で資金が必要になることもあります。

どうしてもリスクを抑えたい人は、REITで不動産投資を始めましょう。紹介してきた種類の中で唯一1口の購入でも分散投資になり、現金化も容易です。

2021年段階での、不動産業界の現状や新型コロナなどの抱える問題について、詳しく知りたい方はこちらの記事もおすすめです。

不動産業界の現状は?投資に影響する課題や今後の展望について徹底解説

稼ぎたいなら融資を必要とするものから選ぶ

少しでも不動産投資による稼ぎを増やしたい人は、融資を受けられるものを選びましょう。例え利回りが低くても、稼ぎは大きくなります。証券化された投資では融資を受けられないため、現物の不動産を購入しましょう。自己資金だけに頼るより、稼ぎの大きい投資に挑戦できます

物件の価格が同じであれば、新築の戸建てより中古の格安アパートを選んでください。1坪当たりの利益が大きく、空室のリスクも下がってくれます。

不動産投資の物件選びについて、詳しく知りたい方はこちらの記事がおすすめです。

不動産投資は物件選びが超重要!投資に成功する物件の選び方を紹介

また中古マンションへの投資を検討したい方は、こちらの記事も参考にしてください。

中古マンションへの投資は稼げる?メリットデメリットや物件の選び方

不動産投資で融資の審査に通るコツ

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不動産投資のため金融機関に融資の申し込みをしても、審査に通らなければ、必要な費用を確保できません。審査の条件には職業や年収が関係してきますが、すぐに改善はできないです。そこで、すぐに実行が可能な審査に通るための3つのコツを紹介していきます。

抱えている借金は完済する

本業の収入に対して、無理のない返済額であれば融資の審査は通りやすくなります。月々の返済額を抑えるためには、頭金を出して融資額を下げるだけでなく、抱えている借金の清算も行いましょう。

車のローンやクレジットカードのリボ払いなどがあると、融資の返済に回せるお金は減ってしまいます。一時的に貯蓄を減らしてでも完済してしまった方が、融資の返済に余裕が生まれます。

利用する不動産投資ローンと住宅ローンの違いについて、詳しく知りたい方はこちらの記事も参考にしてください。

住宅ローンは不動産投資に使える?問題点と投資資金を用意する方法

堅実な事業計画書を作成する

不動産投資ローンを申し込むためには、事業計画書を作成する必要があります。収益が見込める投資なのかを事業計画書から判断し、融資の決断をします。

例えば賃貸経営なら、常に満室を想定した収益ではなく、一定割合の空室を想定した堅実なものを作成しましょう。具体的な数字でシミュレーションをしておくと、審査をする人への説得力が増し、面談もスムーズに進みます。

審査が甘い金融機関で融資を申し込む

融資を受けるなら金利が低い所を選ぶのが前提で、さらに各金融機関の特徴についても注目しましょう。金融機関の種類ごとに次の特徴があります。

金融機関の種類 特徴
大手の都市銀行
  • 低金利
  • 属性の審査が厳しい
地元密着の地方銀行
  • 都市銀行より金利は高い傾向
  • 口座を持っていると審査に有利
信用金庫・組合
  • 審査は投資の収益性を重視
  • 担当エリア内に物件がある必要
ノンバンク
  • 豊富な物件に対応
  • 高金利だが保証人は原則不要で審査は甘い
日本政策金融公庫
  • 低金利だが借入期間は短い
  • 属性より収益を重視

金利や借入期間などから、返済に無理がなさそうかをチェックしてから、審査の甘そうなところで相談をしましょう。本業の収入が振り込まれている銀行であれば、返済能力を判断してもらいやすいです。

不動産投資の融資の審査について、詳しく知りたい方はこちらの記事もおすすめです。

不動産投資は銀行からの融資が重要!申請方法や審査について徹底解説

不動産投資に必要な自己資金を捻出する方法

自己資金があるほど、挑戦できる不動産投資の選択肢は増えて、融資の審査も難易度が下がります。しかし本業の年収は増えてくれず、簡単に転職をすることもできません。そこで、不動産投資の自己資金を捻出する方法を3つ紹介します。いずれもすぐに始められますので、挑戦しやすいものから実行してください。

家計の固定費を抑える

家計の中で節約効果が高い方法は、固定費の見直しです。毎月や毎年支払っている次のものを見直すと、節約効果は継続してくれます。

  • 家賃・住宅ローン
  • 水道・光熱費
  • スマホなどの通信費
  • 利用中の定額サービス
  • 各種保険代
  • クレジットカードなどの年会費

特に通信費や定額サービスなどは、変更や解約が容易なため、必要最低限のものだけにしましょう。クレジットカードもポイントの利率が高いものでも利用頻度が低いなら、解約してしまいましょう。

家賃は敷金や礼金、更新料が無料になるところを選ぶと、引っ越しのハードルは下がります。住宅ローンは、借り換えで金利の低い所を選ぶと、総額で100万円単位の節約になることもあります。

日頃の無駄な買い物を控える

100円以下のものでも、コンビニやスーパーで頻繁に買っていては、年の累計で数万円になることもあります。毎朝購入しているコーヒーも、自宅で作ったものを持っていくと、節約になります。

日頃の無駄を控えるために、家計簿をつけて現状を把握しましょう。ノートにレシートを日付ごとに貼り付けておくだけでも、見直して1ヶ月間の無駄を分析できます。

初期費用がかからない副業を始める

不安定な雇用が増え給料の増額も望めない現代では、正社員でも手取りの月給が10万円以下になる人もいます。すでに限界まで節約しているため、本業の収入だけでは不動産投資を始められないです。

そこで、初期費用がかからない副業を検討しましょう。スマホがあればブログなどで広告収入が期待でき、パソコンがあればクラウドソーシングサービスで、様々な仕事を受注できます。趣味の写真や不要なブランド品の販売などもあり、隙間時間を使って稼ぎましょう。

自己資金を無駄にしないため不動産投資の勉強

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不動産投資の中には、運用や経営を業者に丸投げできるものがあります。専門知識がなくても始めることはできますが、利益をできるだけ増やしリスクを下げるために勉強はかかせません。調べ物をネットに頼るのもよいですが、次の3つの方法で不動産投資の知識を深めましょう。

不動産投資の基本を身につけるなら書籍

ネットを使って、「不動産投資 入門」や「不動産投資 基本」などで検索をすると、解説記事がいくつもヒットします。しかし検索上位記事でも、自身が知りたいことが載っていなかったり、専門家の監修無しで内容が間違っていたりすることがあります。

しかし書籍であれば、不動産投資について専門家がまとめた内容を体系的に学ぶことができます。対象の投資に特化したものや上級者向けの書籍もあり、現状のレベルに合わせて知識を深めることが可能です。電子書籍版であれば、欲しいときにすぐ入手でき、気になる用語の検索も簡単にできます。

不動産投資の最新情報を仕入れるためセミナー

不動産投資について最新情報を身に付けたい方は、セミナーへの参加がおすすめです。書籍になるまでには時間がかかり、読んだ段階ではもう通用しないテクニックが紹介されているかもしれないです。セミナーであれば、講師の実体験に即した最新情報を聞けて、不明な点はその場で質問ができます。

参加するセミナーは講師の質を重視し、気軽に参加できる無料のオンライン対応のものから探してみましょう。平日の夕方以降や土日に開催しているものが多いため、仕事は定時で切り上げ勉強する時間を確保してください。

不動産投資に役立つ資格の取得

不動産投資のために資格を取得するというのも、知識を身に付けるために有効です。不動産投資に関係がある資格には、次のようなものがあります。

  • 不動産実務検定:不動産投資全般を学べる
  • FP技能士:生涯を通した資産運用や家計の節約に役立つ
  • 宅地建物取引士:不動産の売買や管理の知識が身につく
  • 賃貸不動産経営管理士:賃貸経営全般を学べる
  • マンション管理士:マンション経営で管理組合のサポートが可能

合格率が10%を切る資格もあり、無理に試験まで受けなくてもよいです。各資格のテキストを読むだけでも、目的の不動産投資の不安要素を取り除けます。

まとめ

不動産投資にかかる自己資金は、種類によって1万円程度から始められます。融資を受ける場合でも手続きの費用や頭金の用意で、自己資金なしで始めるのは難しいです。

融資を受けられる不動産投資で大きく稼ぐため、節約をしたり副業で資産を増やしたりして自己資金を確保しましょう。融資の審査に通るためやリスクを下げるため、返済に無理のない範囲で挑戦してください。

※「マイナビニュース土地活用・不動産投資」は以下に記載されたリンク先からの情報をもとに、制作・編集しております。
https://www.fsa.go.jp/news/30/20190328_summary.PDF
https://www.fsa.go.jp/news/r4/kokyakuhoni/20230120/kpi_toushin_230120.pdf
https://www.mlit.go.jp/kankocho/minpaku/overview/minpaku/law1.html
https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/content/001411696.pdf
https://www.fsa.go.jp/


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