利用していない田んぼの活用方法大全!農地or転用で有効活用しよう

土地活用

これまで農業に接したことがない方が田んぼを相続することで、土地活用の問題に直面するケースがよくあります。田んぼを相続したもののどのように活用すべきなのか分からず、さらに活用の必要性の判断もつかずに困っている方も多いのではないでしょうか。

実際に活用するのかどうかに関わらず、具体的な活用方法についてある程度把握しておくことは重要です。田んぼの土地活用方法は大きく2つに分けられます。ここでは、2つの活用方法の具体的な中身や活用ノウハウについて詳しく紹介して行きます。

田んぼの土地活用方法

田んぼの具体的な土地活用方法は、大きく2つに分けられます。1つは農地として活用する方法であり、もう1つは転用して農地以外の活用をすることです。

農地として活用する場合と農地以外の活用をする場合には、対応が大きく異なります。ここからは、2つの活用法をさらに細かく解説していきます。より実践的な内容になっているので、将来田んぼの土地活用を検討している方はぜひ最後までお読みください。

農地として活用

田んぼは農地であり農地法という法律が適用されるため、通常の土地のように自由に売買することができません。もっとも簡便に田んぼを土地活用するためには、面倒な転用の手続きを行わずそのまま農地として活用するのが一番だと言われています。

しかし農地として活用する場合でも、その活用方法は様々です。ここからは、田んぼを農地として活用する際の具体的な活用法について紹介していきます。

農園として貸す

田んぼを整備して、市民農園として一般に貸し出す方法があります。市民農園の開設方式は、市民農園整備促進法、特定農地貸付法、農園利用方式による方法の3つがあり、それぞれ要件や手順、利用目的が異なるので3つの違いを把握しておく必要があります。

以下、3つの方法の違いのポイントを表にまとめたので今後の参考にしてください。

開設方式 開設できる場所 貸付対象
市民農園整備促進法による開設 市町村が指定した市民農園区域または都市計画法の市街化区域に限られる。 農地と併せて附帯施設(水道、駐車場、トイレ、休憩施 設、農機具庫など)を整備可能。
特定農地貸付法による開設 特に指定なし。 農地の貸付けに限られる。
農園利用方式による開設 特に指定なし。 賃借権その他の使用及び収益を目的とする権利の設定又は移転を伴わないもので当該農作業の用に供するものに限られる。

 農地集積バンクを利用する

田んぼを農地として活用するために、農地集積バンクを利用する方法があります。農地集積バンクとは、農地の賃貸や売買を行いやすくするための制度であり、主に市町村が窓口となり取り組んでいます。

例えば農地バンクがリタイヤする農家から農地を借り上げて、新規で農業を行いたい方に貸し出すなど、農地バンクは貸し手と借りて、売り手と買い手をつなぐ役割を果たします。

農地集積バンクについて詳しい情報を知りたい方は、各市町村の農政所管課やJAなどに設置している農地集積バンク相談窓口に問い合わせると良いでしょう。

自分で田んぼを利用する

農業や田植えに少しでも興味があるのであれば、田んぼを誰かに貸したり売ったりせず、自ら田んぼとして利用する方法があります。これまで田んぼを利用した経験がない方は新しく勉強することも多く、田んぼとして利用するための準備や手間に時間がかかることになるでしょう。

しかしすでに環境は整備されているので、全くのゼロからのスタートではありません。すでに田んぼがあることから比較的取り組みやすく、自給自足ができるメリットや販売することで一定の収益も得られるメリットなど様々な恩恵がありおすすめです。

田んぼのまま売却する

田んぼの活用方法として、特に整地などをせずに田んぼのまま農家に売却する方法もあります。すでに田んぼを所有している近隣の農家や知り合いの農家に声をかけたり、先述した農地集積バンクに登録したりすると良いでしょう。自ら田んぼを活用することに興味がなく、できるだけ早めに手放したい方には売却するのがおすすめの方法です。

どの程度の価格で売却できるのかは、一括査定サイトを利用して調べられます。複数社へ査定依頼を出し、結果を比較すると最新の相場が分かります。

その他の一括査定サイトや選び方について詳しく知りたい方は、こちらの記事もおすすめです。

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転用して活用

田んぼを本来の農地以外の方法に転用して活用するのであれば、田んぼの活用範囲は一気に広がります。うまく土地活用することで、場合によっては大きな利益を得ることも可能になるのです。

ここからは、田んぼの具体的な転用方法について解説していきます。

住宅地に転用

田んぼを個人用の住宅や賃貸マンション、アパート、戸建てなどを建設するための住宅地に転用する方法があります。住宅地に転用すれば、そこに建物を建てたい個人や法人に土地を売却することができます。田んぼはもともと平地であり整形地であることが多いため、整地するのにそれほど手間がかからないこともその理由に挙げられます。

しかし住宅地に転用する際は、その場所が住宅地に向いているところであるのか周辺環境を考慮することが大切です。比較的大きな公道に接している場所や近隣に商業施設などがある場所であれば、住宅地に向いていると言えるでしょう。

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高齢者向け施設として貸す

今後超高齢化社会になることを見越して、田んぼを整地して高齢者向け施設を建設して貸し出す方法もおすすめです。具体的な高齢者向け施設として、老人ホームや介護施設、デイサービスなどがあげられます。しっかりと地域情報をリサーチし、ニーズにあった施設を建設すれば安定した利益を生み出すことにつながります。

なお、施設の設備によっては初期費用が高額になるケースもあることから、事前に専門家に相談してしっかりと試算をしてから踏み切るよう慎重に行動しましょう。

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太陽光発電を設置する

日当たりがよく広大な田んぼであれば、太陽光発電を設置することもおすすめです。太陽光発電を行うことで、光熱費を削減することができ、その結果家庭の電気料金が安くなるメリットがあります。さらに余った電気は電力会社へ売電できる点も魅力的です。

ただしどのような場所でもうまくいく訳ではなく、近隣に高い建物がない場所や日照時間が長い地域など、太陽光発電に向いていることがうまくいくポイントと言えます。

駐車場にする

比較的手軽に転用する方法として、田んぼを駐車場にする方法があります。駐車場は他の転用方法と比較して初期投資額が低く、月極駐車場であれば機器の設置の必要もないので気軽に始めることが可能です。

ただし近隣に車を利用する人が多く商業施設があるなど、人々の行き来のある環境でなければ収益をあげることは難しいため事前のリサーチは必須です。

田んぼの転用で注意したいこと

実際に田んぼを転用する際には、注意しなければならない点がいくつかあります。良い転用のアイディアが浮かんだ後スムーズに実行に移すためにも、転用に関する注意点はあらかじめ把握しておくことをおすすめします。

ここでは、田んぼを転用して有効活用するために注意すべき点を6つ紹介します。

届出や許可が必要

田んぼをはじめとした農地を他の用途に転用して使用する場合には、農業委員会への届出や都道府県知事または農林水産大臣が指定する市町村長の許可が必要です。

もし農業委員会への届出や都道府県知事の許可を得ることなく転用した場合は、契約自体が無効になります。場合によっては原状回復命令や罰金が科せられるケースもあるので気をつけましょう。

転用できる農地の種類が限られている

どのような農地であっても必ずしも転用できるという訳ではなく、転用できる農地の種類は限られている点に注意しましょう。具体的にどのような農地であれば転用ができるのか、またはどんな農地は転用が認められないのか気になるところです。ここでは、転用できる農地と転用できない農地を具体的に紹介していきます。

転用できる農地

農地転用の許可基準は、営農条件や周囲の市街地化の状況を考慮に入れて判断する立地条件と、転用農地の確実性などから判断する一般基準の2つの基準で判断されます。農地区分が第3種農地である市街地の区域もしくは市街地化の傾向が著しい土地は、原則農地転用の許可が下ります。

転用できない農地

農地区分が第1種農地である、集団的に存在している農地や土地改良事業等の公共投資の対象となった農地は、原則として不許可となります。ただし、市街地に設置することが困難な施設を設置する場合など,例外的に認められるケースもあります。

農地区分が第2種農地である、市街地化が見込まれる区域内にある農地や市街地に近接する孤立小団地の農地では原則として不許可となるものの、他の土地に立地が困難な場合には許可されます。

農地区分 許可方針
第1種農地 原則不許可(市街地に設置することが困難な施設を設置する場合は許可)
第2種農地 原則不許可(他の土地に立地が困難な場合は許可)
第3種農地 原則許可

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需要の見極めが大事

農地を転用する場合には、転用した土地に一定の需要があり、十分に有効活用できるのかどうか見極めることが大切になります。田んぼを駐車場として転用しても、周囲に商業施設がなく利用者がいなければ十分な収益を得ることができないことになりかねません。

安定した収益を確保するためには、需要が見込まれる転用方法を選択することが大切です。そのためにも転用する前に周辺環境を丁寧にリサーチし、情報収集することをおすすめします。

田んぼのままの方が税金が安い

農地の贈与を受けたり相続したりした際、固定資産税の支払い義務が発生します。原則として農地の固定資産税は宅地よりも安いことから、わざわざ転用するよりも田んぼのまま保有した方が得だと考える方もいます。

しかし農地の中には、特定市街化区域にある農地など宅地と同程度に課税される農地もあるため確認が必要です。特定市街化区域とは、首都圏や中部圏、近畿圏の特定の市街化区域を指します。この区域内にある農地で宅地化の可能性が高い場合には、宅地と同程度の固定資産税が課せられます。さらに相続税の猶予もないので注意しましょう。

道路に接していないと建物が建てられない

田んぼを転用し建物を建てる場合は、救急車などの緊急車両の通行確保や、災害時などの非難経路を確保するために田んぼが道路に面している必要があります。

また建築基準法には道路の規模も決められており、幅4メートル以上の道路に対して土地が2メートル以上接していないと建物を建てることはできません。さらに現在すでに建設されている建物が幅4メートル以上の道路に接していない場合には、次に建替える際には、幅4メートルになるように建替える必要があるのです。

活用方法を迷っているなら専門家に相談する

田んぼの活用方法は数多くあります。しかしどの活用方法が自分の田んぼに適しているのか、素人が判別するのは決して簡単ではありません。

活用方法を考えあぐねているのであれば、土地活用の専門家に相談することをおすすめします。土地活用を専門としている不動産会社の中には、長年土地活用に携わり多くのノウハウを有しているコンサルタントが存在します。まずは専門のコンサルタントに気軽に相談をすることをおすすめします。

土地活用に関する情報と、専門のコンサルタントを利用するメリットなどについてはこちらの記事をご参照ください。

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田んぼを転用する仕組み

優良な農地を確保し、適正に農地の転用が行われるようにするために、農地を転用する際には農業委員会または都道府県知事による審査に通過しなければならないとされています。農地転用を希望する場合には、農地転用許可申請書に必要事項を記載し、必要書類を添付して地域の農業委員会に提出します。

市街化調整区域内及び未線引き区域内の転用の場合には、農地の立地条件によっては転用ができない場合があるので注意が必要です。分からない場合は事前に農業委員会相談すると良いでしょう。

もし許可を受けないで無断で農地を転用した場合や、転用許可に係る事業計画通りに転用しなかった場合には農地法違反となります。工事の中止や原状回復命令、3年以下の懲役や300万円以下の罰金適用を受ける可能性があるのでくれぐれも気をつけましょう。

田んぼを活用するメリット

ここまでは、田んぼをはじめとした農地の土地活用の中身について紹介してきました。田んぼには複数の活用方法が存在しますが、適切に活用することで様々なメリットを得ることができます。土地活用することで具体的にどのようなメリットが生じるのでしょうか。

ここでは、田んぼを活用する際のメリットについて紹介します。

田んぼが荒れるのを防げる

田んぼは何も手入れをせず長期間放置すると、田んぼが荒れ果ててしまいます。特に遠方に住んでいる場合は定期的な管理をすることも難しいため、犯罪の温床になったり近隣トラブルが発生したりする原因になる可能性もあり気が休まる暇もないでしょう。

田んぼを転用して土地活用することで、荒れるのを防ぎその結果土地の管理がしやすくなります。その結果トラブルを未然に防ぐこともできるといったメリットもあるのです。

相続前に転用すれば相続人への負担が少ない

田んぼを相続する前に転用して活用すれば、相続人の作業が少なくなるだけでなく、相続後も相続人が地代を受けることができるなどのメリットがあります。田んぼから離れた遠方に住んでいる場合や、環境が悪く土地活用が難しい場合には、思い切って売却も視野に入れることをおすすめします。

まとめ

今回は、利用していない田んぼの活用方法について具体例をあげながら紹介してきました。田んぼの適切な活用方法は状況に応じて様々であり、田んぼが属しているエリアや周辺環境に少なからず影響を受けることになります。そのため自分が保有する田んぼをどのように活用したら良いのかしっかりと見極めることが重要になります。

実際に転用する際には、許可や届け出といった手続きも発生するので事前に確認することが大切です。将来的に田んぼの活用を検討している方は、今回の記事を参考にして自分の田んぼにとって適切な活用方法を選択するよう心がけましょう。

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