米Adobe Systemsは3月6日(現地時間)、「Lightroom Mobile」をアップデートし、Raw HDR撮影モードを追加した。

撮影した画像からハイダイナミックレンジ合成したHDR Jpegを作成できるスマートフォンはすでにいくつも存在するが、2枚の画像を組み合わせるような従来のスマートフォンのHDR合成では、困難なライティング状況において十分な露出レンジをキャプチャできないことがある。Lightroom MobileのHDR撮影プロセスはハイエンド・モバイル端末の性能を活かして、これまでデジタル一眼やミラーレスでしか得られなかったようなHDRキャプチャを実現する。

HDRモードに設定するだけで簡単にRaw HDR撮影、そのまま編集・共有できる

露出設定が異なる3枚のRaw画像を組み合わせてHDR作成

撮影時に対象をスキャンして露光レンジを設定、異なる露出設定による3つのDNG/Rawファイルでキャプチャし、アライン、マージ、ゴースト除去、トーンマッピングなどを行って、それらを組み合わせる。Adobe Camera RawやLightroomで採用されているHDR技術と同じアルゴリズムで処理された高品質なHDR画像をモバイル端末で作成し、そのまま編集・共有することが可能。Creative Cloudを使うと、編集を含めて自動的にクラウドにバックアップされ、それらはデスクトップ版にも同期される。Raw HDRを作成するために、PCで作業する必要がなくなる。

最新版は、iOS版がバージョン2.7、Android版がバージョン2.3。それぞれApp StoreとGoogle Playから入手できる。Raw HDRキャプチャにはDNG/RAW撮影に対応したデバイスが必要であり、6日時点で対応デバイスはiOSがiPhone 7シリーズ、iPhone 6sシリーズ、iPhone SE、 9.7インチiPad Pro、Android端末はGoogle PixelシリーズとSamsung S7/ S7 Edgeに限られる。

Raw HDR撮影モードのほか、最新のiOS版には、オリジナルファイルの書き出し機能、スワイプを使った写真レビュー、新しい感圧タッチ/通知センター・ウイジェットなどが追加された。Android版では、Creative Cloudメンバーがリニアおよびラジアルの選択ツールを使用できる。

DNGファイルやインポートしたRawファイルを含むオリジナルファイルの書き出しが可能に

ジェスチャーを使って素早くレート&レビュー