米Appleが今年2016年6月に開催されるとみられる開発者会議の「WWDC16」において、「Apple Watch」の次期バージョンを発表するという話が出ている。現行のApple Watchが市場投入されたのは2015年4月で約1年前であり、通常の同社の製品サイクルでは次が見えてくるタイミングだ。ただ、スマートウォッチという新しいカテゴリの製品更新サイクルは現時点で定まっておらず、ユーザーの反応をみつつリリース時期を若干後ろにずらす可能性も指摘される。

現行のApple Watch

同件はMacRumorsが報じている。これはDrexel HamiltonのアナリストBrian White氏がサプライチェーン筋の話をレポートとしてまとめたもので、この中で「Apple Watch 2」に関する情報に触れている。同氏によれば、この次世代版Apple Watchは2~3カ月内にも市場投入が行われる見込みで、6月のWWDCの場で発表される可能性が高いという。

現在まだWWDC16の日程は発表されていないが、MacRumorsでは6月13~17日に米カリフォルニア州サンフランシスコのMoscone Center Westで開催されることになると報じている。実際、Moscone Centerの公開しているイベントスケジュールでは同期間のみMoscone Center Westの会場が利用されておらず、この期間での開催はほぼ間違いないと予想される。例年であれば、4月中旬にはWWDCの開催日程告知が行われ、参加者受付がスタートしているため、今年も4月11日の週内には何らかのアナウンスがあるはずだ。もしこの開催日程となった場合、6月13日に基調講演が行われることになり、前述Apple Watchの新製品のほか、「iOSの次期バージョン」に関する新情報、そして長らくアップデートの止まっている「MacBookとMacBook Pro」らが一斉に発表されるとみられる。

Apple Watch 2に関してWhite氏は、現行モデルと比して20~40%ほど薄型化が実現されると指摘している。Apple Watchではたびたびバッテリ駆動時間や充電に関する問題が指摘されており、バッテリ技術の大幅な改善が見込めない現状において、それがほぼそのままバッテリ駆動時間の短縮につながる。ただ、こまめな充電や利用スタイルの確立により、ユーザー側がApple Watchに慣れつつあるのも現状であり、本体サイズに手を入れてくる可能性も考えられる。

また同氏は、Apple Watch 2の発表が9月の次世代iPhoneのタイミングまでずれ込む可能性は低く、WWDC直後かその翌月程度にリリースされる可能性のほうが高いとも指摘している。同氏以外にも複数のアナリストや関係者が「2016年半ばごろのリリース」を指摘している一方で、2016年後半にずれ込むと指摘する声もある。MacRumorsもユーザーを疲弊させないように、Apple Watchなどの周辺機器は1年半以上の更新間隔を保つ可能性があると伝えている。ただいずれにせよ、1年サイクルでの更新が定常となったiPhoneに比べ、スマートウォッチの製品寿命や更新サイクルはまだ確立されておらず、Apple側もユーザーの反応を見つつ、製品計画を調整していくことになるだろう。