3月も下旬に差しかかり、2015年度(2015年4月~2016年3月)のテレビ局の視聴率争いは、最終コーナーを回った。前年度に引き続き、日本テレビがゴールデン(19時~22時)・プライム(19時~23時)・全日(6時~24時)の"三冠王"となるのは確実な情勢だが、一方でTBSの躍進も見逃せない。

在京キー局2015年度視聴率動向(3月13日までの集計)

数字はビデオリサーチ調べ・関東地区。単位は%。カッコ内は2014年度通期との比較値

今月13日までの50週を経過した時点で、日テレは3部門いずれも、2位のテレビ朝日に1ポイント以上の差をつけ、盤石の体制で三冠を達成する見込み。前年度通期に比べ、ゴールデン・プライムは、それぞれ-0.4ポイント、-0.5ポイント落としているものの、2月の月間平均視聴率で初めて民放横並びトップに立った平日朝の情報番組『ZIP!』の貢献もあり、全日の下げ幅を縮小させている。

15年度"三冠王"確実の日本テレビ=東京・汐留

この状況を踏まえ、同局の4月改編率はゴールデン9.8%、プライム13.1%、全日5.8%(2月22日現在)と小幅に抑えた。プライム帯のバラエティ新番組は、金曜20時枠の『究極の○×クイズSHOW!! 超問!真実か?ウソか?』のみとなっている。

日テレが金曜の改編に着手した背景にあるのは、TBSの好調ぶりだ。『爆報!THEフライデー』『ぴったんこカン・カン』『中居正広の金曜日のスマイルたちへ』という流れで安定した視聴率を獲得しており、その他の曜日でも『マツコの知らない世界』『プレバト!!』『ニンゲン観察バラエティ モニタリング』といったバラエティ番組が堅調。今年度は『天皇の料理番』『下町ロケット』といった「日曜劇場」枠ドラマの健闘も目立った。

こうしてTBSの今年度は、前年度通期比で、ゴールデンが+0.4ポイント、プライムが+0.5ポイントと、6局中唯一上昇。両時間帯でフジテレビを抜き、民放3位を奪取するのは、ほぼ確実となっている。

躍進のTBS=東京・赤坂

そのフジテレビは、今年度も数字の低下に歯止めがかからない。前年度でゴールデンが10%を割り込んでしまったが、今年度はプライムも1桁となる情勢だ。この状況から脱却しようと、今回の改編率も、ゴールデン36.0%、プライム37.8%、全日19.9%(3月7日現在)と大幅な改編を断行。安定している午前帯情報番組からの取りこぼし防止も狙い、平日は早朝4時から19時まで15時間連続生放送という、縦の流れを強く意識した編成を組んだ。

もちろん、ほかの局も視聴率上昇を目指して改編を実施。15年度の視聴率集計は4月3日までだが、最終結果が発表される翌4日から、新年度の視聴率争いが幕を開ける。

視聴率の数字はビデオリサーチ調べ・関東地区。