米iFixitが第4世代の「Apple TV」の分解レポートを公開した。モジュラー構造の修理しやすいデザインになっており、iFixitは修理可能(Repairability)スコアに8点(最高10点)という高スコアをつけた。第4世代のApple TVはプロセッサにA8を搭載、tvOSで動作し、サードパーティがApple TV向けのアプリを開発できる。発売予定時期は10月下旬だ。

パーツや筐体の固定に接着が用いられているのが近年のApple製品の修理を難しくしていたが、第4世代のApple TVでは接着が最小限にとどめられている。底面のふたは爪だけで止められているので簡単に取り外せる。ふたを開けるとロジックボードが現れる。ロジックボードの固定などに用いられているネジは一般的なTorxネジで、ツールの入手が難しい特殊なネジは一切使われていない。

第4世代のApple TVのロジックボード(出典: iFixit)

ロジックボードの上に大きなヒートシンク(出典: iFixit)

第2・3世代モデルの厚みが23ミリであるのに対して第4世代モデルは35ミリと厚みが増したが、A5チップからA8チップにアップグレードされ、ゲームやマルチメディアにより活用されるようになるのが原因であるとiFixitは見ている。ロジックボードを外すと、熱を逃がすための大きなヒートシンクが出てくる。ヒートシンクには電源ユニットが統合されており、電源の熱もヒートシンクが吸収する。電源は第2・3世代の3.4V (1.75A)から12V (0.917A)に変更された。

iFixitによると、ヒートシンク/電源とロジックボードがケーブルやコードで結ばれていない。ロジックボードをヒートシンクに固定するネジの軸がケーブルなどの代わりになっているとiFixitは推測している。そのためネジを外すだけで、ケーブルを抜いたりせずに簡単にパーツを取り外して交換できる。

リモコン「Siri Remote」はケースが接着されており、Apple TV本体に比べるとケースを外すのが一苦労である。中はICとボタンの基板、充電池(410mAh)とLightningポートの2つのパーツで構成される。電池とLightningポートはしっかりと接着されているが、ロジックボードにハンダ付けされてはいないので「交換の費用は抑えられるだろう」としている。Siri RemotoのチップはARM Cortex-M3を用いたST Microelectronics STM32L 151QD、タッチスクリーンコントローラにiPhone 5シリーズやiPad Airと同じBroadcom BCM5976C1KUB6Gを採用している。

Siri Remoteの中には2つのパーツ、ロジックボードとボタンの基板、電池とLightningポート(出典: iFixit)