米Amazon.comは8月26日(現地時間)、有料販売またはフリーミアム型で提供されているAndroid用のゲームやアプリを完全無料で提供する「Amazon Underground」を米国や欧州で開始した。GoogleのGoogle Playストアを利用しているAndroidユーザーとアプリ開発者を、Amazonのアプリストアに導くのが狙いと見られている。

Google PlayやAppleのApp Storeで提供されているゲームはアプリストアから「無料」で入手できても、存分に楽しむためにはアプリ内で有料のステージや特別な機能をアンロックしたり、アイテムを購入する必要があるフリーミアム型が多い。Amazon Undergroundで無料提供されているアプリは、文字通り全てを無料で楽しめる。アプリストアからの入手はもちろん、アプリ内で入手するコンテンツも全て無料だ。AmazonはUndergroundプログラムに参加するアプリ開発者やゲーム開発者に対して、使用時間をベースに一定料金を支払う契約を結んでいるという。料金はAmazonが引き受けるため、ユーザーは完全無料でアプリやゲームを楽しめる。26日時点でAmazon Undergroundには「OfficeSuite Professional 8」「Goat Simulator」「PhotoSuite Pro 4」などGoogle Playで有料販売されているアプリ、「Frozen Free Fall」「Star Wars Revels: Recon Missions」「Angry Birds Slingshot Stella」などフリーミアム型のアプリが並んでいる。

有料販売またはフリーミアム型で提供されているAndroid用のアプリやゲームが完全無料、UndergroundアプリをAndroid端末にインストールしたらWebのAmazon.comからも端末にインストールできるようになる。

Kindle FireシリーズにはAmazonのApp Storeアプリがプリインストールされているが、Fireシリーズ以外のAndroid端末の多くにはGoogleのPlayストア・アプリがプリインストールされている。AmazonのApp Storeを利用するためには、AmazonのサイトからApp Storeアプリをダウンロードし、Playストア以外のアプリを導入できるようにセキュリティ設定を変更しなければならない。その手間がAmazonのApp Storeの普及の妨げになっていた。Amazon Undergroundも同様に、利用するためにはユーザーがUndergroundアプリをAmazonのサイトから入手しなければならないが、たくさんの人気ゲームを完全無料で使用できる魅力によって、Amazonのアプリストア・アプリを導入するAndroidユーザーが増えると同社は期待している。

9to5Googleなど米メディアは、Amazon UndergroundはAmazonがApp Storeをオープンさせてから提供し続けてきたストアプロモーション「今日の無料アプリ」に変わるプログラムだと指摘しているが、Undergroundチームは「Amazon Undergroundアプリは1回限りのプロモーションではなく、長期的なプログラムである」と明言している。無料だけではなく、今後さらなるメリットをUndergroundに追加していくという。