パナソニックは、厚さ100マイクロメートルの断熱シート「NASBIS」を開発した。同シートを、スマートフォンやウェアラブルデバイスに組み込むことで、熱問題の解決が期待できる。6月中に量産を開始する。

「NASBIS」

これまでの断熱材は、数mmから数cmの厚みのものが主流だったが、電子機器の小型・薄型化、高性能化に伴い、ヒートスポットへの対策や発熱部品からの煽り熱の問題が深刻化しており、薄く高性能な断熱材への要求が高まっていたという。

同社は、断熱性能が極めて高いシリカエアロゲルと呼ばれるナノ多孔体を繊維シートを隙間に埋め込み、均質にシート化する独自の製造プロセスを開発。厚さ100マイクロメートルで、非真空断熱材として業界最薄(同社調べ)となる「NASBIS」の量産を実現した。

「NASBIS」の特徴は、湿度や温度による劣化が少なく、長期間に渡って高い断熱性能を維持できる点。また、電子機器の筐体内部の狭小空間において押圧がかかるような使用環境でも、断熱性能の低下を大幅に抑制し、安定した熱対策が可能となる。同社は、スマートフォンやウェアラブルデバイス、車載機器、産業機器などへの採用を期待している。今後は、厚さ200/500/1,000マイクロメートルの「NASBIS」も順次ラインナップしていく。