JR東日本は4日、中央線新型特急電車「E353系」量産先行車の新造を発表した。基本編成9両・付属編成3両の計12両を製作し、落成は2015年夏以降を予定している。
同車両は中央本線の特急「スーパーあずさ」などに使用されるE351系の老朽化にともなう取替えを目的に、性能評価や技術検証を行うため製作されるという。現行E351系の「振り子式車体傾斜方式」に対し、E353系量産先行車では「空気ばね式車体傾斜方式」を採用。車体はアルミ合金製で、制御方式はVVVFインバータ制御、最高速度は時速130kmとなる。
外観は「伝統の継承」「未来への躍動」をコンセプトに、「新時代のダイナミズムを表現し観光・ビジネスユースに対応したデザイン」(JR東日本)となり、内装においては南アルプスと梓川の「きよらかさ」、ビジネスの「機能性」とレジャーの「高揚感」を表現。一部先頭車とグリーン車に動揺防止装置を搭載するほか、静粛性を向上させた床構造とし、各車両に空気清浄機も設置するなど、快適な車内環境を提供する。室内照明にLEDを採用して消費電力の低減を図り、車内の各座席にパソコンを置けるテーブルとコンセントも設置する。
基本編成9両(5M4T)の定員は、グリーン車30名・普通車502名。付属編成3両(2M1T)は普通車のみで定員154名。E353系量産先行車の運用区間は、中央本線・篠ノ井線の東京~塩尻~松本間とされている。