KDDIは25日、Firefox OS搭載端末の日本市場への導入および、Firefox OSの機能向上のために協力していくことでMozillaと合意したと発表した。

写真はFirefox OSの開発者向けプレビュー端末「Keon」

Firefox OSは、HTML5を初めとするWeb標準技術をベースとした、Mozillaが提唱する新しいオープンなモバイルプラットフォーム。「インターネットをすべての人々の利益になる方向へ発展させる」というMozillaのコミットメントに則り、デバイスにアクセスするAPIなどは、リファレンスも含めてW3C等の標準化団体へ提案されており、独自のAPIを指向しないオープンなエコシステムになる方向にある。これにより、アプリケーションの開発・提供が容易となり、革新的なサービスが誕生することが期待されている。

KDDIは、Firefox OSのWebアプリケーションの実行に最適化されたシンプルなシステム構成により、システムの拡張性が期待できることから、Firefox OS搭載スマートフォンの導入を検討していく。

端末の導入検討を進めるにあたり、KDDIは、Mozillaが管理し、Firefox OSを搭載する端末を開発するメーカーが利用するソフトウェア群へ、KDDIが各種機能追加のためのソースコードを作成するコントリビューションを予定。通信事業者であるKDDIが行うことで、開発のスピードアップ、端末ごとの機能差解消を図る。

また、ユーザーの意図しないデータ通信を抑制する「データ通信の最適化」、ユーザーデータ保護のための「セキュリティ機能の強化」、任意のアプリケーションを利用のユーザー自身が制限可能とする「ペアレンタルコントロール」などの分野について、両社が持つノウハウを共有し、開発していく。普及活動やWebアプリケーションのエコシステムの活性化にも努める。

なお、KDDIでは、Mozilla CEOのゲイリー・コバックス氏のコメントを紹介。「Firefox OSは、オープンなWebによる自由と無限の革新性を、世界中のモバイルユーザにもたらします。最も革新的なモバイル市場の一つである日本へKDDIが Firefox OS搭載端末を投入することによって、オープンWebは多大な恩恵を受けることでしょう」と同氏は述べたとしている。