2014年から始めた「永久保証」サービスでiPhoneアクセサリ業界に衝撃を与えたSHOWCASE秋葉原が、9月12日、新たに札幌店をオープンさせた。秋葉原店と同じくiPhoneアクセサリの販売を行う。いったいどんな店舗になるのか。そして、なぜ札幌だったのか。同店を運営する株式会社KODAWARIの田村洋祐社長に話を聞いた。

株式会社KODAWARI代表取締役社長・田村洋祐氏

――SHOWCASE札幌ル・トロワがついにオープンしました。そもそもなぜ地方に出店することを考えたのですか?

田村 もともと地方への出店はSHOWCASE秋葉原店を作った3年前くらいから考えていたんです。そのときは他にも店舗をどんどん増やしているお店が多くて、僕らも全国20店舗はいきたいね、なんて話していたんです。ところが、iPhoneのアクセサリマーケットの成長が緩やかになり、成熟したこともあり、競合店もうまくいかないところが出てきたんです。僕らとしても本当に利益が出せるのかが見えなかったため、多店舗展開は様子見していました。やっと戦略が見えてきたのがここ1年くらいです。

――ここ数年でiPhoneのアクセサリマーケットが伸び悩んできたということですか?

田村 伸び悩んでいるわけではないですが、過熱感はもうないですし、何も考えずにやっても儲かる時代は終わりました。撤退するお店も相次いでいます。

――そんな中、札幌店を出店されるということは、SHOWCASE秋葉原の運営でそれだけの手応えを感じたということですか?

田村 そうですね、アクセサリマーケットは縮小していますが、SHOWCASEでは「永久保証」を行っており、それが差別化にもなっています。始めた当初はウェブでは「永久保証」サービスに対応していなくて、店舗に来られたお客様が対象でした。でも、やはりお店に来られる方というのは限られてしまうんです。それこそ記事を見て、東京出張のついでに寄られた方もいたのですが、次に来られるのがいつになるかわからないので、壊れた製品を持ってこられないんですよね。じゃあ実店舗が全国の各地域にあるといいんじゃないかと考えたのです。もちろん、全国20店舗みたいなことを考えているわけではなく、もっと主要都市に絞って店舗を展開していきたいと考えています。

――主要都市といってもたくさんありますが、なぜ最初が札幌店だったのでしょうか。

田村 理由はシンプルで、いい物件があるという話をいただいたからです。もともと札幌に決めていたわけではなく、全国に候補物件は複数ありました。ですが、やはり物件がよくても場所が微妙だとか、条件が折り合わないことが多かったのです。札幌店の最寄り駅は大通り駅といって、すべての地下鉄が交わる駅です。若者や観光客も多く、場所としては申し分ありません。ちなみにビルはもともとルイヴィトンが入っていたビルで、現在は化粧品のお店やスイーツカフェなどが入っています。他にも整体や美容整形外科なんかも。

複合施設「Le trois(ル・トロワ)」内の2Fにオープン

――女性に人気がありそうな建物ですね。SHOWCASEとしても女性を意識した店舗に?

田村 そうですね。やはり女性のお客様を意識した店舗にはしたいと考えています。それからメインではないですが、観光客の方にもアピールしたいですね。北海道のインバウンド率って37%という非常に高い数字なんですよ。だからそこは無視できないかなと。もっとも、お店自体のコンセプトは「町の電気屋さん」です。

――町の電気屋さん?

田村 地域に根ざしていこうということです。iPhone関係でよくあるのが、イベントスペースなんかにちょっと出店したりするポップアップ店舗。お店自体がどんどん変わっていったり、最初から売り切って撤退する予定で営業しているようなお店です。それは、うちでは一切やりません。

――SHOWCASE秋葉原のようにしっかりと実店舗で長くやっていく?

田村 そうです。そのためのコンセプトが「町の電気屋さん」です。SIMフリーが一般的になってきたらSIMも取り扱いますし、永久保証サービスで売ったものについては最後まで責任を持ちます。それからバッテリーを長持ちさせる方法や、写真をPCに取り込む方法など、Apple Storeに行って聞くほどではないようなちょっとした相談に乗ったりしたいですね。携帯コンシェルジュとして信頼を得ていきたいです。SHOWCASEは「安心」を売るお店ですので、長くサービスを続けられるお店にしたいです。

――SHOWCASE秋葉原とはまた違った雰囲気のお店になりそうですね。

田村 むしろ、どんどん店舗の色を出していきたいですね。機械みたいな接客をするのではなく、イベントなどもやっていきたいし、スタッフの個性が生かせる店舗にしたいと思っています。でないと働いていてつまらないですからね。働いてつまらなかったら、それはお客さんにも伝わってしまいます。地域の色も出していきたいので、実際、初期スタッフも1名は東京からですが、他2名は現地採用です。

――店舗の内装なども秋葉原店とは違う?

田村 かなり違いますね。豪華な雰囲気は残していますが、そもそも店舗のレイアウトが全然違います。秋葉原店は箱モノなので壁が3面ありますが、札幌店はショッピングビルの一角で壁は一つで半円みたいな形になっています。

店舗のイメージ

――ちなみに今後の構想はありますか? 札幌店の次に店舗を出したい地域とか。

田村 まだ全く考えておりませんが、東京、札幌ときているので、次は京都とか沖縄とかに出したいですね。

――京都ですか。

田村 何となくですけど、東京、札幌ときたら次は京都って感じがしませんか?(笑) または、東京、札幌ときて、沖縄とかね。日本の両端から攻める(笑)。

――どちらになるのか楽しみです(笑)。ところで永久保証サービスは実店舗だけでなく、ショッピングサイトでも適用されるようになりました。そうなると、実店舗との差別化が難しくなるのでは。

田村 いえ、そうではないんです。SHOWCASE秋葉原に来てくれるお客様は札幌店には行かないですよね。ウェブも同じなんです。ウェブで買う人は実店舗には行かないし、実店舗に行く人はウェブでは買わないんですよ。つまり、ショッピングサイトというのは、実店舗と同じように一つの店舗なんです。そこを一緒にしてしまうと混乱してしまいます。秋葉原店と札幌店が別であるように、ウェブもまた別の店舗という認識で運営しています。ですから取扱商品に関してもまるっきり同じというわけではなく、それぞれの地域に合っているものを取り扱います。WEBでもWEBで人気のありそうなものを取り扱います。

――よくわかりました。ありがとうございます。

iPhoneのアクセサリ市場は成熟期を迎え、以前ほどの過熱感はなくなったという田村氏。しかし、それは同時にiPhoneアクセサリ市場が一時的な熱狂で消え去るものではなく、一つの市場として安定したことを指している。だからこそ、SHOWCASE札幌ル・トロワは地域に根ざした「新世代の町の電気屋さん」としてオープンしたのだ。

今後、SHOWCASE札幌ル・トロワがどんな店舗になっていくのか期待したい。

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