Apple Watchのセルラー対応によって、フィットネス以外のアプリがApple Watchで広く活用されることが期待される。一般ユーザー向けだけでなく、企業内や特定の業種向けのデバイスとしての活用にもだ。例えば交通機関や遊園地のような施設で、独自のアプリを開発して導入する、といったこともあり得るだろう。

Apple Watchはマルチタッチスクリーンとデジタルクラウンといったインターフェイスが備わっているが、文字入力の主体はやはり、音声入力となる。また、Siriからアプリの機能を呼び出して活用するシーンも想定される。

ユーザーにいかに気軽に音声を活用した操作性を体験してもらうか、iPhoneを操作するよりも素早いと感じさせるかは、重要なユーザー体験上の課題になる。

Siri Face

また、Apple Watchには前述のように「Siri Face」といわれる次に何が起きるか、あるいは場所や状況に応じて必要そうな情報を提示する機械学習を活かした文字盤が備わっている。このSiri Faceに対して積極的に情報を提示する仕組みを実現する上では、常に通信環境にある必要があり、セルラー対応するApple Watchの優位性が表れるポイントと言えるだろう。

通信、音声入力、人工知能、この3つの要素は開発者に対しても開放されており、これらを活かした手首のアプリの充実が、Apple Watchのセルラー対応を、ゲームチェンジャーとなり得る存在へと押し上げていくことになる。