多種多様な候補から自分好みの端末を選択でき高度なカスタマイズが可能、それがAndroidの魅力であり強みです。しかし、その自由度の反面わかりにくさを指摘されることも少なくありません。このコーナーでは、そんな「Androidのここがわからない」をわかりやすく解説します。今回は、『飛行機に持ち込めるバッテリーの見分けかたは?』という質問に答えます。

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2016年4月以降、国際民間航空機関(ICAO)では国際線旅客機に搭載する貨物として、単体リチウムイオンバッテリーを預け入れ荷物として輸送することを禁止しましたが、一定の条件を満たせば引き続き機内持ち込みが許されます。

国内航空大手の日本航空と全日本航空では、充電式のリチウムイオン電池の機内持ち込みについて、ワット時定格量が100Whを越え160Wh以下のものは2個までOK(100Wh以下は制限なし)、ただし短絡しないよう容器に収納するなど絶縁対策を行うこと、といった規定を設けています。

ここで問題となるが「○○Wh」(ワットアワー)の部分です。市販されているモバイルバッテリーの多くは、容量の表記が「△△mAh」(ミリアンペアアワー)で単位が合致しないため、単純に比較できないのです。

このとき利用する公式が「ワット時定格量(Wh)=バッテリー容量(Ah)×定格電圧(V)」です。リチウムイオンバッテリーの定格電圧は一律3.7Vで計算できるので、モバイルバッテリーの容量を調べればワット時定格量がわかります。

たとえば、容量が12000mAhのモバイルバッテリーの場合、単位をAhに変換すると12Ahですから、「12Ah×3.7V=44.4Wh」とわかります。大容量をうたうモバイルバッテリーといえど、容量は20000mAh(20Ah)前後ですから、よほど大型のものでないかぎり数を気にせず機内持ち込みできます。

ただし、モバイルバッテリーをスーツケースなどに入れ貨物として預け入れる場合は話が別です。手荷物と比べ預け入れ荷物は衝撃を受けやすく、貨物室のコンディションも客室と比較して厳しいため、バッテリー容量とは関係なく一律禁止している航空会社が大半です。

バッテリー容量にリチウムイオンバッテリーの定格電圧3.7Vを乗算すれば、ワット時定格量がわかります(写真はイメージです)