多種多様な候補から自分好みの端末を選択でき高度なカスタマイズが可能、それがAndroidの魅力であり強みです。しかし、その自由度の反面わかりにくさを指摘されることも少なくありません。このコーナーでは、そんな「Androidのここがわからない」をわかりやすく解説します。今回は、『危険なAndroidアプリは減少中ってホント?』という質問に答えます。

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「危険なAndroidアプリ」という言葉が、Google Playで配布されているマルウェアを含むアプリのことであれば、条件は付くものの答えは「YES」です。

Googleが2017年3月に公開したレポート「Android Security Year In Review」によれば、Google Playを介したマルウェアなどを含む有害なアプリの流通量は大幅に減少しているそうです。Googleはマルウェアの監視を強化しており、2016年にAndroidのセキュリティ機能「Verify Apps」が実施したチェックは7億5,000万回と2015年(4億5,000万回)から大幅に増加していますから、その効果があったものと推定されます。

2015年から2016年の1年間におけるGoogle Playの状況でいうと、トロイの木馬は51.5%、不正なダウンロード支援ツールは54.6%、フィッシングは73%と、いずれも大幅に減少しています。システムを利用制限して解除のために金銭を要求するランサム(身代金)ウェアも92.9%、商業ベースのスパイウェアも45.3%の減少ですから、Google Playにおける安全性はある程度向上したと見ていいでしょう。Google Playからダウンロードしたアプリによってマルウェアの被害を受けた端末が前年の0.15%から0.05%に低下したことも、わかりやすい成果といえます。

一方、未納金があるなどと騙りSMSで支払いを誘導する「SMS詐欺」は前年比282.2%、音声接続で高額な使用料を請求する「通話詐欺」は同592.8%と、こちらは激増しています。あるカテゴリでは沈静化したようにも映るマルウェア/迷惑アプリは、いまなお手を変え品を変えはびこっていると言わざるをえず、セキュリティ面での取り組みは今後も続くことになりそうです。

Google Playにおけるマルウェア被害は、ここ1年で大きく減少しています