NTT西日本関西事業本部およびNTTドコモ関西支社が、堺泉北港堺2区基幹的広域防災拠点(堺市堺区)で実施した「NTT西日本グループ・NTTドコモグループ関西合同防災訓練」。南海トラフ大地震などの災害時を想定し、自衛隊と連携した実動訓練を公開しました。

会場には巨大なモニターが設置され、自衛隊ヘリから空撮した映像が提供されました

前編のNTT西日本編に続き、後編はNTTドコモ関西の訓練模様をお送りします。

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今回NTT西日本・NTTドコモ関西は初めて自衛隊と連携し実動訓練を公開しました

災害時に基地局が停電等の理由でだめになると、移動基地局車両が出動しカバーに入りますが、土砂崩れなどにより車両が通行できない場合があります。その孤立した地域の救済で活躍するのが、基地局の各設備を小型化し、運搬しやすく分割した「可搬型衛星エントランス基地局」です。訓練では自衛隊ヘリによって可搬型衛星エントランス基地局が地上へ運ばれ、作業員たちがテキパキと組み立てていました。

ヘリから可搬型衛星エントランス基地局を運び込む作業員。2人で持てるコンパクトなサイズですが、この箱2つに基地局キットが入っています

箱には小型基地局装置や発動発電機などが収納されています。基地局が被災し、移動基地局車両も道路を通行できないときは、コンパクトな可搬型衛星エントランス基地局がエリアをカバーします

そもそも衛星回線とは何かというと、地上の基地局が使えなくなっても、人工衛星と通信することであらゆるロケーションに対応できる回線のこと。衛星携帯電話は熊本地震でも要望が多かったそうで、ドコモは新たな災害対策の取り組みとして、衛星エントランス基地局の車載型を19台に倍増、可搬型を新規に24台増設しました。

6枚の板をパズルのように組み合わせて可搬型パラボラアンテナを組み立てます。基地局をバラバラにして持ち運びができるなんて驚き

パラボラアンテナ完成。関西全府県には合計11台が配備されています