シャープは10月20日、高濃度プラズマクラスターと新開発のかっさアタッチメントで頭皮環境を整えるヘアドライヤー「プラズマクラスタースカルプエステ IB-GX9K」を発表した。発売は10月27日。価格はオープンで、推定市場は25,000円前後(税別)。かっさアタッチメントが付属しない「プラズマクラスタードライヤー IB-GP9」も同時発売し、推定市場価格は20,000円前後(税別)となる。

左がIB-GX9K、右がIB-GP9

同日、シャープは都内で発表会を開催した。登壇した健康・環境システム事業本部空調PCI事業部の冨田昌志副事業部長は「髪と頭皮の関係は、植物とそれを生み出する土壌に例えられる。健康な植物を育てるには良好な土壌が必要なように、健康な髪を目指すには頭皮ケアが重要。ヘアケアに加えて、健やかな髪を生み出す頭皮もケアする"スカルプエステ"が開発のコンセプト」と説明した。

「シャープに期待されているのは、世の中にない商品の開発であり、それが存在意義」と冨田昌志副事業部長

シャープによると、もともとプラズマクラスターは除菌・消臭、静電気の除去、保湿といった3つの効果があり、新製品では特に頭皮の保湿効果に着目して開発したという。プラズマクラスターによる保湿のメカニズムは、イオンを囲んでいる水分子が頭皮に到着後、角質層まで届くことで皮膚に潤いを与える、というものだ。頭皮は加齢や紫外線によるダメージで乾燥しやすく、皮脂腺量が顔のTゾーン(額や鼻筋)よりも多い。また、髪に覆われているので蒸れやすい。これらが頭皮を痛める原因だが、プラズマクラスタースカルプエステを使用することで頭皮の角質層の潤いが保たれ、それにより頭皮の皮脂が抑制されるという。さらに頭皮が清潔に保たれ、ふけ・かゆみを抑制する効果もあるとしている。

シャープの試験によると、プラズマクラスターイオンありのドライヤーでは、イオンなしより頭皮の水分蒸散量が抑制されたという

IB-GX9Kは、イオン濃度が約330万/平方cmと従来にない高濃度のプラズマクラスター発生器を搭載。発生したプラズマクラスターを効率よく頭皮に届けるため、クリアカバーと新開発の「かっさアタッチメント」を付属している。クリアカバーによりプラズマクラスターイオンの高濃度空間が作られ、かっさアタッチメントを頭皮上に滑らせて使用することで髪をかき分け、イオンを直接頭皮に届ける仕組み。

同じくシャープによるプラズマクラスターの頭皮ケア効果試験結果。試験前後では頭皮表面の潤い、毛穴周りの皮脂量が異なる

速乾性能も強化している。空気抵抗を抑えて効率よく風を起こすアマツバメの翼と同じ機構を応用したファンと、ファンの回転で生じた渦状の流れをまっすぐ勢いのある風に整える整流ロングノズル組み合わせにより、髪の根元まで届く「高速ダイナミック風」を実現している。これにより、非速乾タイプに比べてドライ時間を約60%短縮できるとともに、熱に頼らず早く乾かせるので髪へのダメージも低く抑えられるという。このほか、温風と冷風を交互に切り替えることで髪のキューティクルを引き締め、過乾燥を抑えて艶のある髪を実現する「ビューティーモード」も搭載した。

速乾タイプと非速乾タイプの毛髪表面における温度比較。速乾タイプは10℃ほど温度が低いので髪へのダメージが抑えられる

髪の艶がアップするビューティーモードも搭載

アタッチメントはプロのヘッドセラピストのアドバイスを受けながら開発。頭皮を優しくつかむ形状や弾力性を追求しており、頭皮を心地よくマッサージする効果もある。吹き出し口にはセンサーを搭載するため、かっさアタッチメントを装着すると約50℃の低温風が吹き出る「SCALPモード」となり、頭皮マッサージに適した温度で使用できる。

人間の手をモチーフにした「かっさアタッチメント」

製品開発のアドバイザーとして参加したトータルビューティーサロン「uka」ヘッドセラピストの塩澤直子さんも登壇し、「ドライヤーに頭皮マッサージ器が付いていたことにびっくりしたが、使ってみると頭皮をマッサージしながら低めの温風を当てるのが心地良かった。シャンプーの後のドライヤーでも、乾かしきれていない頭皮までしっかり乾かせるので、頭皮環境にとても良いという印象だ。ぜひ、ドライヤーの後の頭皮ケアを毎日の習慣に取り入れてほしい」と語った。

ヘッドセラピストの塩澤さんによる実演も行われた。「1日5分を目安にマッサージすると頭皮環境は整いやすくなる」と塩澤さん