ぐるなび、東京急行電鉄、東京地下鉄が中心となり開発を進めていた、訪日外国人向けのワンストップガイドサービス「LIVE JAPAN PERFECT GUIDE TOKYO」(以下、LIVE JAPAN)が13日からスタートした。スマートフォンやPCのブラウザからアクセスできる。必要な情報をすべて網羅している点や、観光地・飲食店・ショッピングなどの観光情報がリアルタイムで配信されていく点などが特徴だ。同日、都内では記念イベントが行われた。

ぐるなび、東京急行電鉄、東京地下鉄が中心となり開発を進めていた、訪日外国人向けのワンストップガイドサービス「LIVE JAPAN PERFECT GUIDE TOKYO」が開始した

LIVE JAPANの狙い

訪日外国人の増加に伴い、近年、観光情報サービスが数多く存在するようになった。このため、訪日外国人の間では「どのサイトを選べば良いのか分からない」といった、新たな問題が起きていた。そこでLIVE JAPANではワンストップガイドサービスを目指す。訪日外国人が本当に必要としている情報やサービスを、このサイトひとつで全て提供しようという試みだ。参画企業は21社局に上った。対応言語は8言語(日本語・英語・中国語(簡体字/繁体字)・韓国語・マレーシア語・インドネシア語・タイ語)を用意。東京の“今”が分かる「施設ガイドサービス」、訪日外国人の困り事やニーズに応える「便利機能サービス」、東京の楽しみ方や日本の文化などを伝える「情報コンテンツ」といったサービスを提供していく。

LIVE JAPANの利用イメージ。乱立していた観光情報サービスを、ひとつにまとめたワンストップガイドサービスを目指す

施設ガイドサービスや、便利機能サービス、情報コンテンツなどの提供を予定している

ぐるなび 代表取締役会長の滝久雄氏は「今日、リアルタイムな情報が求められている。良いコンテンツサービスには高い質の維持が必須。LIVE JAPANを情報発信サービスの主役にしたい」と抱負を述べた。また、日本が観光立国を目指していることについて言及。「今後ますます異文化交流が盛んになる。そのためには互いの国の歴史的な成り立ち、固有の文化を尊重しあうことが必要となる。LIVE JAPANがその一助となれれば」と話した。

登壇する、ぐるなび 代表取締役会長の滝久雄氏(左)。ぐるなびを中心に、21社局がLIVE JAPANに参画した(右)

観光庁長官の田村明比古氏は「外国人が“世界一快適な滞在環境”と感じていただける水準を目指したい。それには無料Wi-Fiの整備や、多言語による情報発信などが柱となる。見るもの、買うもの、食べ物、宿泊施設の情報などを母国語で簡単に検索できるサービスの需要が高まっており、LIVE JAPANは時宜にかなったサービスと感じている」と述べた。また、東京都副知事の前田信弘氏は「政府は、東京オリンピック・パラリンピック大会が開催される2020年の訪日外国人数を4,000万人と見込んでいる。世界に観光都市・東京をPRする絶好の機会。LIVE JAPANとともに、東京都としても観光振興にしっかり取り組んでいくと話した。

観光庁長官の田村明比古氏(左)と、東京都副知事の前田信弘氏(右)

このほか、国土交通省 国土交通審議官の武藤浩氏は「日本政府のみならず、東京都を始めとした地方自治体全体で観光政策に取り組んでいく時代になった。LIVE JAPANのように、新しいビジネスで新しいサービスを提供していくことは産業を発展させるために極めて重要。マスコミ各社からも情報の発信をお願いしたい」と話した。このあと、会場ではLIVE JAPANのコンセプトムービーが流され、その後フォトセッションとなった。

既存サービスとの差別化要素は?

イベントの終了後、ぐるなびの滝久雄氏が記者団による囲み取材に応じた。LIVE JAPANをどのように広めていくのか、と聞かれると滝氏は「様々な形を考えているが、まずは現在、日本に滞在中の外国人に口コミなどで広めていきたい」と回答。今後、Googleやその他のサービスと連携することで、日本に興味のある外国人に情報を発信していければと話していた。

記者団による囲み取材に応じる、ぐるなびの滝久雄氏

LIVE JAPANを展開する狙いのひとつは外国人のトレンドを把握したい意図があるのではないか、と質問されると「食に関しては10年を超えてサービスを継続している。今後は、そのデータを利用して実際に使ってもらう段階」と回答。もっとも、今後ともビッグデータをチェックしながら改善を加えていくとした。

ジャンルによっては、すでに様々な企業がサービスを先行して展開している。こうした既存サービスとの差別化について聞かれた滝氏は、LIVE JAPANの強みは鉄道・空港各社と連携している点にあると説明。「例えば、鉄道は地域のコミュニティを独占している。東急には550万人の利用者がおり、50年、100年の信頼関係がある。全国には鉄道の駅が1,000駅アリ、それぞれの街は駅を中心にできている。鉄道各社と濃い関係で連携できるので、リアルタイムの情報を出し続けている」と話し、LIVE JAPANの優位性を強調した。