メールアドレスが必要になるのは、メールを送受信するときだけではない。オンラインストアに会員登録するとき、企業が運営する会員制サイトのメンバーになるときなど、自分の身元を証明するための素材としてメールアドレスは欠かせない存在だ。実際、登録に利用したメールアドレス宛てに一時利用のパスワードを記述しておき、数時間以内にログインが確認できれば登録を許可する、という商用サイトは多い。

しかし、メールアドレスを所選ばず入力するのは考えものだ。世間一般に認知度が高い企業が運営するサイトならばいざ知らず、怪しげなサイトでは流出の危険がありうる。流出すれば迷惑メールやフィッシング詐欺の呼び水となるため、利用は慎重に行うべきだ。

iCloudメールを"サイト登録用のメアド"として使うのならば、わずかな手間で安心度が数ランクアップする方法がある。面倒な事前準備は必要なく、命名ルールさえ理解しておけばじゅうぶんだ。

その命名ルールとは、アカウント名部分の末尾(「@icloud.com」の直前)に「+○○○」をくわえること。「○○○」の部分は通販サイトの名前でも通し番号でもよし、任意の文字列でかまわない。見る人が見れば、本来のメールアドレスはバレてしまうが、万が一流出したときの対処策がとりやすくなる。

たとえば、「+○○○」には通販サイトの名前をローマ字で登録するマイ・ルールを設けたとしよう。そのメールアドレスが流出すれば、どの通販サイトで流出事故が発生したのか、メールの宛先(To:行)を見れば推定できる。実際にはBCCで送信されてくることが多いため、そうかんたんには判断できないだろうが、すべての通販サイトで同じメールアドレスを登録するより流出源を特定できる可能性は増す。

メールのフィルタ(仕分け)機能にも応用できる。判定基準に「+○○○」を使えばいいので、通販サイトからのDMを特定のフォルダに仕分ける、といった設定もラクに行うことができる。1日に数十通もDMを送信してくるサイトが珍しくない現在、手っ取り早い対策となるはずだ。

操作手順をカンタン解説

1 iCloudメールの「@」の直前に任意の文字列を「+○○○」の形式でくわえたアドレスも利用できる。この例のように、「honrai@icloud.com」には「honrai+iwire@icloud.com」を宛先としても使えるのだ

2 他のメールソフトから「+naisyo」という文字列をくわえて自分宛に送信してみたが、支障なく到着した。iCloudメールならばすべてのドメイン名(@icloud.com/@me.com/@mac.com)で利用できる

(提供:iPad iPhone Wire)