よく「ストリーミング型」と説明されるApple Musicだが、純粋な意味でのストリーミングサービスではない。TCP/IPネットワークを使い音声や映像のストリーミングを行う場合は、RTSP/RTPというプロトコルに従い、細かくパケット化したうえで同期をとりながら転送するものだが、Apple Musicではクライアント側にキャッシュしつつ再生を行う。そうすれば、移動に伴う帯域の変化にも対応しやすく、音が途切れることもなくなる。

キャッシュされた音楽データは、オフライン再生を可能にした曲と同様に『ミュージック』アプリ専用領域に保存される。DRMで保護されているため、他のアプリから再生できないことに変わりはないが、両者の扱いは少し異なる。オフライン再生を可能にした曲は、『設定』のストレージ管理画面で確認できるが、キャッシュされた曲はこの画面に表示されないのだ。

キャッシュの有無は、パケット通信量に影響してくる。いちどキャッシュされた曲を再生する場合、Apple Musicのサーバから曲データをダウンロードする必要がないため、通信量がかからないのだ。つまり、キャッシュされた曲だけ再生しているかぎり、パケット通信が増え続けることはない。1日に何時間もApple Musicを楽しむユーザは、どの曲がキャッシュされているか気になるのではないだろうか。

キャッシュの有無を確認するには、「モバイル回線経由でApple Musicを利用できない」状態をつくる必要がある。設定のポイントは2つ、Wi-Fiを無効化することと、『設定』→「iTunes & App Store」の画面で「モバイルデータ通信」スイッチをオフにすることだ。 その状態で『ミュージック』を起動し、キャッシュの有無を確認したい曲を含むアルバムを表示してみよう。キャッシュがある曲は濃い文字で、ない曲は薄い文字で表示されているため、違いがはっきりわかるはずだ。

操作手順をカンタン解説

1 『設定』のストレージ管理画面では、オフライン再生を可能にした曲しか表示されない

2 キャッシュされた曲を確認するには、「モバイル回線経由でApple Musicを利用できない」状態をつくる必要があるため、まずWi-Fiを無効にする

3 続いて、『設定』→「iTunes & App Store」の画面で「モバイルデータ通信」スイッチをオフにする

4 このアルバムでは、「The Heat Goes On」という曲だけキャッシュされていることがわかる

(提供:iPad iPhone Wire)