日本では、東京・六本木ヒルズにオフィスを構えるApple。同社が横浜に、大規模な研究開発拠点を設立するというニュースが流れてきた。

日本に研究開発拠点を構えるという話は、安倍晋三首相が2014年12月に行ったさいたま市内の街頭演説で初めて触れた。首相は「アベノミクスの成果」であるとして政治色を強くこの情報を出したが、その後の情報は明らかにされてこなかった。

その後、Appleから3月25日に正式な発表が行われ、横浜市港北区に「テクニカル・デベロップメント・センター」の開設と、2016年度中に完成させることが明らかになった。

綱島のパナソニック跡地を取得

Appleがテクニカル・デベロップメント・センターを開設する場所は、もともと、パナソニック綱島事業所があった場所だ。1960年に同社が進出し、携帯電話端末・基地局などの通信関連の工場として稼働し、その後、グループの事業所として存続してきたが、2011年に閉鎖されている。

横浜市は、この跡地に「Tsunashima サスティナブル・スマートタウン」と名付けての再開発を行う予定で、東横線「綱島駅」と、東横線が日吉駅で分かれて相鉄線に乗り入れる新設路線の「新綱島駅」が最寄りとなる。

この再開発地区でAppleが利用するのは、総面積の約3分の1となる1万2500平方メートル。公開されているイメージ画像では、ガラス張りで波を打つ巨大な4階建ての建物が描かれている。敷地内に1200本以上の樹木を植え、エネルギー利用を40%抑えるグリーンさもアピールするとのことだ。

施設の完成予想図

ちなみに、安倍首相が発言した際には横浜市でも中心部により近い「みなとみらい地区」に進出するとの発言があったが、今回の進出先は異なる。当面、再開発地ができあがるまでは、みなとみらいで活動するとも伝わってきており、テクニカル・デベロップメント・センターができあがるまで、みなとみらいに仮のセンターを開設するのか、みなとみらいと綱島は別々に稼動を続けるのかは、まだよくわからない。