LUMIX DMC-CM1

一方で、スマホとしての形を保ちながらも、より純粋にカメラとしての性能をアップさせている機種も登場しています。中でも革新的な機種が、パナソニックが先日国内でも発表したCM1です。パナソニック自身はあくまで「カメラ」として定義していますが、SIMロックフリーのスマホでもあります。

LUMIX DMC-CM1

CM1の特徴は、1型センサーを搭載していること。そこそこ薄型に収めたとはいえレンズも巨大で、センサーとレンズの組み合わせだけ見れば、十分に高級コンパクトカメラに張り合えるだけの性能を持っています。それまで不可能に近かった「画像処理ではない本物のボケ」を楽しめる機種が出てきたことで、スマホのカメラに新しい方向性が生まれました。

カメラの画質は、何らかのイノベーションが起きない限り、どう技術が進歩しても、センサーとレンズの大きさにある程度依存します。だからこそ、スマートフォンがデジカメに画質面で追いつくことはできないと考えられていたわけです。

しかし、CM1のように正面からデジカメに挑む機種が出てきたことで、今後は「スマホがどこまで本格的なカメラに近づけるのか」を追求する動きが加速するのではないかと思います。

「スマホで撮影の楽しさに気づく」→「スマホでは物足りなくなり、デジカメへ」という流れが、デジカメ不振にあえぐカメラメーカーにとっての頼みの綱だったわけですが、CM1がユーザーに受け入れられるようだと、そのステップアップすらスマホ内で完結してしまうかもしれません。どれくらいのユーザーが、本格的なカメラを必要としているのかを推し量る試金石として注目が集まります。