説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりでも正しく理解していないことがあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、「iOS 8.1にバージョンアップするとサクサクになるの?」という質問に答えます。

***

10月20日に提供開始された「iOS 8.1」は、iOS 8リリース後最初の大規模なアップデートです。多数の不具合が修正されたほか、Apple独自のモバイル決済システム「Apple Pay」(日本では導入時期未定)など、新機能も多数含まれています。公開から数日が経過した現在、重大な不具合は報告されていないようですから、アップデートしてもよさそうです。

iOS 8.1にアップデートするとき、ソフトウェアアップデートの画面から「詳しい情報」をタップすると、iOS 8.1の変更点や新機能を事前に確認できます。そこには具体的な機能や変更点が記載されていますが、ひとつ重要な情報が欠けています。そう、iOS 8.1にバージョンアップすると"操作感"が改善されるのです。わかりやすくいうと、iOS 8.0~8.0.2まではどこかモタつきを感じた操作感がキビキビとしたものに変わります。

操作感は文字どおり感覚的なものですから、多少の個人差はありますが、スマートフォンの場合「ベンチマークアプリ」(CPUなどの処理性能を検証して報告するアプリ)を利用すると、数値という客観的なものさしで比較できることがあります。

iPhone 6とiPhone 4SをiOS 8.1にアップデートしたところ、確かにその効果がありました。最新ハードウェアなだけに、iPhone 6はiOS 8.0.2の時点と比べ明らかな処理性能差を体感することはできませんが、iPhone 4Sは違います。起動後ひと呼吸おかなければ操作開始できなかったアプリが、"半呼吸"ほどで操作できるようになりました。画面のスクロールなど、描画に関する処理速度も改善された印象です。

ベンチマークアプリ「GeekBench 3」を試してみたところ、iPhone 6とiPhone 4S両方に数値レベルでの改善が見られました。特にiPhone 4Sの場合、100分率換算では7.5%(シングルコア時)もスコアが改善されており、操作感の変化が裏付けられた形です。すでにiOS 8に更新しているのなら、iOS 8.1へのアップデートはお勧めできます。

ベンチマークアプリ「GeekBench 3」を試したところ、iOS 8.1におけるパフォーマンス向上が数値で裏付けられました