12社で団体を設立

この構想に賛同した12社で設立されたのが「Syn.alliance」で、共通UIを導入することで、12社が提供するコンテンツやサービスを横断的に利用できるようになり、スマートフォン利用者の利便性が向上するとしている。

12社は、「@cosme」を運営するアイスタイル、「ゲームギフト」を運営するAppBroadCast、「ウェザーニュース」を運営するウェザーニューズ、「報道ヘッドライン」を運営するA3(KDDI)、カレンダーアプリ「Jorte」を提供するジョルテ、「音楽ナタリー」「コミックナタリー」を運営するナターシャ、「nanapi」を運営するnanapi、「NAVITIME」を運営するナビタイムジャパン、「はてなブックマーク」を運営するはてな、「iQon」を運営するVASILY、「Qrank」を運営するビットセラー、「LUXA」を運営するルクサの12社。各社の月間サービス利用者数はのべ4,100万にも上り、15年10月には月間で延べ1億の利用者に拡大したい計画だ。

従来のポータルサイトとは異なり、「入り口」となるサイトは設けず、どのサイトにアクセスしても、そこから他のサイトに移動できる形で、森岡氏は「(東京の環状線である)山手線のイメージ。各サービスが1つの駅で、どこから乗ってもどこにでも降りられる」と説明する。

ポータルサイトのように中心となるサイトのない「ポータル」を目指す

各サービスが山手線の駅のように繋がっている

森岡氏が構想の最初に思いついたのが「シナプスのようにサービスが繋がったもの」で、「シナプスプロジェクト」のコードネームで構想を練り上げていった、と言う。インターネット上のコンテンツを繋げていき、「目指すのは日本中のアプリとアプリがつながる世界」(KDDI・田中孝司社長)だという。

KDDIの社長としてではなく、「スマートフォンの使い手の気持ち」で取り組んだという田中社長は、「スマートフォン自体は(操作性が)ぬるっとしていて気持ちいいが、インターネットは分断されたようで窮屈」と話し、Syn.構想によって、「ぬるっとアプリがつながると、窮屈な世界から解き放たれるのではないか」としている。