2014年9月19日に発売となったiPhone 6およびiPhone 6 Plusの初日の動きは予想以上に好調のようだ。

ヨドバシカメラ マルチメディアAkibaの1階アップルショップでは多くの人がiPhone 6およびiPhone 6 Plusコーナーに駆けつけた

専任スタッフが実機を用いて特徴を説明していた

ヨドバシカメラ 販売本部長の日野文彦常務取締役は、「iPhone 5sの出足に比べると1.5倍の売れ行き。これまでのiPhoneのなかで最も順調な出足だといえる。事前予約での申し込みが多いこと、製品が潤沢に供給されていることが販売好調な要因の背景にある。アクサセリーも2倍の販売が見込めそうだ。これからサードパーティーから様々なアクセサリーが登場することになり、それによって弾みがつくだろう」と語る。

ヨドバシカメラ 販売本部長の日野文彦常務取締役

iPhone 5sでは、最も人気が高いゴールドが発売当初に品薄になるなど、出足を鈍らせる要素もあったが、iPhone 6およびiPhone 6 Plusではそうした要素がないとする。

「iPhone 6は、予約すると翌日には手に入れることができる状態。iPhone 6 Plusは、一部キャリアで品薄の状態にあるが、それでも、なんとかぎりぎりのところでつないでいけそうだ。まずは品切れを起こさずに提供できる」とする。

だが、「かなりの勢いでiPhone 6 Plusが売れる可能性もあると考えている。画面が大きい分、シニア層の拡大も見込める。そうした場合の製品供給体制には若干の不安がある」とも語る。

ヨドバシカメラ Akibaでは100人体制で、iPhone 6およびiPhone 6 Plusの販売体制を構築。予約開始前から社員に対するトレーニングを行い、対応できる体制を整えたという。「キャリア各社とも登録作業に関わるシステムダウンがなく、これまでの学習効果が生きている。製品供給、登録作業などのすべてがうまく行っている」と語った。

消費増税前の駆け込み需要の反動で、低迷していた量販店だが、iPhone 6およびiPhone 6 Plusは、売り場の活性化に大きく寄与しているという。

展示されていたiPhone 6

こちらはiPhone 6 Plus

「ヨドバシカメラ マルチメディアAkibaでは、午前8時の発売時には、ソフトバンクで約150人、NTTドコモで約50人、auで約50人の合計250人が並んだ。ネットで事前予約している人が多いため、19日夕方、そして土日にも多くの人が訪れるだろう。大阪・梅田のマルチメディア梅田でも、発売初日から同様の動きになっている」とする。

ソフトバンクが好調なのは、iPhoneで先行していた優位性が発揮されているためのようだ。

「iPhone 5ユーザーからの切り替えが多い。半分ぐらいはiPhone 5からの移行になっているようだ」というのも、やはりソフトバンクユーザーの乗り換えが多いため。「ソフトバンクの積極的な料金施策がユーザーの買い換えを促進している」という。

ヨドバシカメラ マルチメディアAkiba1階のアップルショップには、iPhone 6およびiPhone 6 Plusをそれぞれ6台ずつ展示。終日、売り場には人が途絶えない状況だった。同売り場では、専任スタッフが実機を使いながらiPhone 6およびiPhone 6 Plusを実演。新製品の特徴に耳を傾けていた。同店では今後、さらに触ることができる実機展示を増加させる予定だという。

縦断幕でもiPhone 6を大きくフィーチャー。今回の発売について、店舗としての注力と期待の度合いが伺える

「丸みを帯びたデザインとなったことで、スタイルにもやさしさがでている。これまで以上に女性層への販売増が見込まれる」と語った。

一方、大画面化によって持ちにくさなどが懸念されていたiPhone 6 Plusだが、「実際に製品を触った人たちは、それほど大画面が気にならないようだ。また、簡易アクセス機能により、ホームボタンに2回タッチすると画面全体が親指の方向に降りてくるなど、片手で操作する際に便利な機能が搭載されており、大画面による操作の不便さはまったく感じない。このあたりにアップルのものづくりのこだわりを感じる」と語る。

実際、19日午後のヨドバシカメラ マルチメディアAkibaの1階にあるアップルショップではiPhone 6 Plusの実機を展示。触ってみて違和感のなさを確認する来店客が多いほか、簡易アクセス機能の説明を聞いて操作性の良さに納得する声も聞かれているという。

「Android搭載スマホで大画面化が浸透しており、むしろ、iPhoneの大画面モデルを待っていた人も多いのではないか」と、日野常務取締役は語る。

売り場でiPhone 6を手にするヨドバシカメラ 販売本部長の日野文彦常務取締役

さらに、日野常務は、「今後、Apple Watchの発売も控えており、魅力的なアップル製品の投入が相次ぐことになる。それにあわせてスマートウォッチの販売コーナーを設置することも考えたい。アップル製品が今後の販売拡大の起爆剤になることに期待している」と述べた。