説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりでも正しく理解していないことがあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、「iPhoneの日本語入力、賢くなりませんか?」という質問に答えます。
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iOS 7の現在、ドライバや常駐型サービスなどシステムの低層で動作するプログラムは、App Storeでの配布を許されていません。ソフトウェアキーボード(IME)はアプリとシステムの間に位置し、両者をつなぐことで入力された文字の変換 --たとえば「かな漢字変換」-- を実現しますから、まさにApp Storeの制限に該当します。つまり、サードパーティー製ソフトウェアキーボードはApp Storeで公開できません。
ただし、アプリ内部で完結する形であれば問題ありません。単独のアプリでしか利用できないものの、iOSに付属のものとは異なる独自仕様のIMEは実際に存在します。たとえば、パソコン用日本語IME「ATOK」の開発元として知られるジャストシステムは、メモアプリにATOK相当のIME機能を付けた「ATOK Pad」、同じくATOK相当のIMEをTwitterクライアントに加えた「Tweet ATOK」をApp Storeで公開しています。
そのような制約も、iOS 7で終わりとなります。2014年秋公開予定のiOS 8では、アプリ間連携(App Extensions)と呼ばれる機構を提供することで、外部(他のアプリ)にもIME機能を提供できるアプリの開発が可能になるからです。
実際、「7notes」などのアプリで知られるMetaMoJiは、手書き日本語入力環境「mazec」をiOS向けに提供する方針を明らかにしています。中国系企業のバイドゥも、パソコンやAndroid OSの日本語IMEとして実績がある「Simeji(しめじ)」のiOS 8対応版を開発中であると公表しています。早ければ、iOS 8がリリースされ次第、App Storeにサードパーティー製日本語IMEアプリがお目見えすることでしょう。