コンビニやスーパーでも購入できる地域限定発売の食品というと、お菓子や飲料が真っ先に思い浮かぶが、意外と多いパンの存在も忘れてはならない。そんな中から今回は、九州・山口・広島出身者にとっては懐かしい(在住者にとってはおなじみの!) 一品を紹介しよう。

老若男女に愛される「マンハッタン」(110円)

アメリカで知ったドーナツの味を

そのパンの名は「マンハッタン」。福岡県に本社を置く「リョーユーパン」の看板メニューのひとつで、1974年の発売以来、売上上位にランクインし続けている超ロングセラーだ。それにしても、今から40年も前に「マンハッタン」と命名するとは、当時の開発担当者が国際的なセンスの持ち主だったのだろうか。

「『マンハッタン』の名前は、当時の開発担当がアメリカでドーナツの製法を習得したことや、ニューヨークのマンハッタンで見つけたドーナツを参考にして開発したことに由来しているんです」。

そう教えてくれたリョーユーパンの広報・北村桃子さんによると、開発にあたっては、ドーナツには珍しい「さっくり食感」を出すことが難しかったという話を伝え聞いているそう。

さっくり食感が楽しい「マンハッタン」

帰省時にお土産として買い求める人も!

苦労の末に誕生した「マンハッタン」は、発売当初から子どもにも大人にも大人気! 学校の購買部でも販売することがあるが、すぐに売り切れるためか「『うちの学校では"幻のパン"と呼ばれています』とのハガキをいただいたこともあるんですよ」と北村さん。

学生たちは卒業後もその味を忘れず、進学や就職した先から帰省する際、お土産として買って帰るのを楽しみにしているという声もいただくのだとか。

姉妹品や期間限定商品も登場

圧倒的人気の高さゆえ、リョーユーパン側もファンの期待に応えるべく、日々様々な企画を練っている。

そして2013年11月には、アーモンドクランチをトッピングした「アーモンドクランチマンハッタン」が登場。また、「ストロベリーマンハッタン」など、季節のフレーバーによる期間限定販売を行うこともあるという。

姉妹品の「アーモンドクランチマンハッタン」(110円)

また、人気マンガ「クッキングパパ」でもマンハッタンが取り上げられたことがあるほか、福岡出身のロックグループ175RのボーカルSHOGOさんが、子どもの頃このパンを食べた思い出を振り返って綴った(と思われる)楽曲「マンハッタン」を含むアルバムのリリースに合わせて、「マンハッタン175R限定パッケージ」が発売されたこともある。読者の中にも、マンハッタンにまつわる悲喜こもごもな思い出があるという人がきっといるはず。

「私たちは、『良品づくりで社会に貢献する』を目標に掲げている会社ですので、うちの商品によって、お客さまの食生活がより楽しく豊かなものになれば私たちもうれしいです」との言葉通り、その他にも、「あんドーナツ」(110円)、「牛乳サンド」(135円)など、口にするだけで心が和む、どこかほっとする味わいの商品がそろっている。

あんドーナツ(110円)

牛乳サンド(135円)

故郷から離れた地で勉強や仕事に励んでいる人は、夏休みの帰省の折にはぜひスーパーで買い求めて、あのころの思い出に浸ってみてはいかがだろう。

※記事中の情報・価格は2014年7月取材時のもの。価格は税別