説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりでも正しく理解していないことがあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、『どうして未発売の「iPhone 6」用ケースが先行予約販売されているの?』という質問に答えます。

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確かに、7月半ばであるにもかかわらず、秋に発売予定の「iPhone 6」に対応したケースの予約受付が一部ショップで開始されているようです。「4」と「4s」、「5」と「5s」の位置関係からしても、次のiPhone 6はボディデザインにも大きな変更があると予測されるため、ケースなしに使いたくない層にとっては発売と同時に入手したいアイテムなのかもしれません。

スペックが公表されていない未発売の製品であるにもかかわらず、ミリ単位での整合性が求められるケースが数ヶ月前に予約受付されているということは、どこかから情報が漏れている……その可能性もありますが、非公式情報に基づき制作した、ケースメーカーの"賭け"と考えたほうがよさそうです。

Appleと契約を交わした(MFi準拠の)アクセサリメーカーは、発売に先んじて製品スペックなど詳細を知りうる立場にありますが、Apple側から正式な情報提供があったと結論づけるのは早計でしょう。iPhone 5発売のとき、それまでのDockからLightningにコネクタの形状が変更されましたが、MFi対応製品を販売する周辺機器メーカーに"発表直前まで知らなかった"と聞いたことがあります。確かに、Dock対応製品の在庫が積み上がっていましたから、うなずける話です。

ボディサイズとコネクタでは情報の重さやサードパーティーへの影響度合いは異なるものの、Apple側から意図して情報が出されたとは考えにくく、それ以外のルートで漏れ出た情報をケースメーカーが知り、確証はないものの対応製品を出したのではないでしょうか。あるいは、噂レベルの話をもとに試作品を用意し、取れるだけ予約を取っておいて、確証を得たところで修正をくわえ製造を開始するのかもしれません。 とはいえ、iPhone 5のとき事前予約受付をしていたケースのサイズは、発売後に見てもジャストフィットに近いものでした。工場の従業員あたりから情報が漏れ出ている可能性も否定できませんが、"蛇の道は蛇"といいますから、真相は藪の中です。

「iPhone 6対応」をうたうケースの予約受付が一部ショップで開始されているようです(写真はイメージです)