4~5インチクラスからの解放とは?

少なくともiPhoneについては、競争力上問題になってきた4インチかつ720p未満の解像度のディスプレイから、5インチ弱のフルHDディスプレイへと変更されることに期待したい。

iPad AirとiPad miniがサイズが違うが同じ解像度のディスプレイを搭載して利用できていることから考えて、現在の4インチRetinaディスプレイと併売しても良いだろう。どちらかというと画面の縦横比が変わらないことが大切だ。

ちなみに、最新のAppleの特許文書では、曲面ではなく折りたたみ型のディスプレイに関する特許が掲載されていた。画像を見ると、内側に折りたたんだり、外側に折りたたむことができるディスプレイで、例えば5インチ以上のディスプレイを搭載しても、折りたたんでコンパクトにポケットにしまうことができるデバイスも想定できる。

折りたたみ方が少しずれていれば、画面の一部分だけを点灯させて折りたたんだ状態でも時計やちょっとした情報を見ることができるという使い方も可能になるだろう。画面サイズの大きさと端末サイズのコンパクトさを両立させるアイディアとして活用されるかどうか注目だ。

その一方で、より大きな画面が欲しいユーザーは、少し異なる方法で大きな画面を獲得することができる。それは、iOSが搭載しているAirPlayだ。AirPlayを利用すると、iPadやiPhoneで表示している写真や動画、あるいは画面表示をそのままミラーリングさせて、Apple TVが接続されているHDテレビに表示させることができる。

iPhone上で見ていたYouTube動画を、家のテレビに飛ばしてみるという使い方は、筆者にとって日常となっており、それまで自宅でiPadで動画をよく見ていたが、Apple TV以降はiPhoneから再生することの方が多くなってしまった。

9.7インチのiPadも枕元では十分大画面だが、ソファに座って手元のiPhoneで映像を選んで32インチのテレビで見るというスタイルのほうが楽しめる。スマートフォン自体の画面サイズより、より手軽にAirPlayが楽しめるディスプレイがリビングやベッドルーム、あるいは職場のデスクなどに遍在している方が便利に利用できるような気がする。

松村太郎(まつむらたろう)
ジャーナリスト・著者。米国カリフォルニア州バークレー在住。インターネット、雑誌等でモバイルを中心に、テクノロジーとワーク・ライフスタイルの関係性を追求している。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)、ビジネス・ブレークスルー大学講師、コードアカデミー高等学校スーパーバイザー・副校長。ウェブサイトはこちら / Twitter @taromatsumura