各社のサービスを選ぶ観点は大きく分けて3つ。「料金」「通話品質」「その他のサービス」だ。
この手のサービスを検討しているからには、少しでも通話料を減らしたいというのが最大の動機だろうから、料金面は最重要ポイントとなるだろう。
月額基本料がかかるのが、「050 Plus」(315円)と「LaLa Call」(105円)、「ServersMan SIM LTE」(315円)、「G-Call050」。ただし、この4サービスはいずれも固定電話への通話料が8.4円/3分とかなり安い。「楽天でんわ」は21円/1分、「SMARTalk」は16.8円/1分なので、固定電話と頻繁に通話するのであれば月額料金を支払っても結果的に安くなる可能性がある。
ではスマートフォン・携帯電話への発信はどうかというと、「楽天でんわ」が21円/1分、「LaLa Call」が18.9円/1分とやや高く、他のサービスはいずれも16.8円/1分となる。スマートフォン・携帯電話への発信を頻繁に行うなら、月額無料、かつ16.8円/1分の「SMARTalk」が強い。
■電話アプリ料金等
050 plus | 楽天でんわ | SMARTalk | LaLa Call | ServersMan SIM 050 | G-Call050 | |
---|---|---|---|---|---|---|
月額基本料 | 315円 | 無料 | 無料 | 105円(eo光ユーザー除く) | 315円(2014年1月末まで無料) | 月額294円(2014年3月末申込まで3カ月分無料) |
国内固定電話宛(3分当たり) | 8.4円 | 63円 | 50.4円 | 8.4円 | 8.4円 | 8.4円 |
国内携帯電話宛(1分当たり) | 16.8円 | 21円 | 16.8円 | 18.9分 | 16.8円 | 16.8円 |
アプリ同士の無料通話 | ○ | × | ○ | ○ | ○ | ○ |
国際電話対応 | ○ | × | ○ | ○ | ○ | ○ |
iPhone対応 | ○(iOS 5.0以降) | ○(iOS 4.3以降) | ○(iOS 5.0以降) | ○(iOS 5.0以降) | × | ○(iOS 3.2以降) |
Android対応 | ○(Android 2.2以降) | ○(Android 2.2以降) | ○(Android 2.2以降) | ○(Android 4.0以降) | ○(Android 2.3以降) | ○(Android 2.1以降) |
料金面では不利な「楽天でんわ」だが、強みは通話品質だ。IP電話ではなく、携帯電話網を使用しているため通話品質面では有利であり、さらに080/090から始まる電話番号をそのまま利用できるのも大きい。通話料が多少高いとはいえ、月額料金が無料であるということも加味して考えると、電話の頻度によっては料金でもほとんど差がつかないことも十分ありうる。ただし、現状ではまだ海外に非対応なのは注意したいところだ。
料金・通話品質以外の点ではサービスに着目したい。まず「ServersMan 050」は「ServersMan SIM LTE」への加入(月額490円)が必須となるため、これだけを目的に契約するのはちょっと辛い。あくまで「ServersMan SIM LTE」のオプションサービスとして考えるべきだろう。
個性的なのは「楽天でんわ」の楽天スーパーポイント還元サービスだ。100円分の通話で1ポイントが還元される(楽天カードの支払いでは100円につき2ポイント)ため、楽天でよく買い物をするユーザーであれば少しだけお得になる。
一方で、IP電話を通話以外のコミュニケーションツールとしても広く使おうと考えるなら、メッセージや画像を送信できる「050 plus」や「LaLa Call」などが候補になるだろう。両者のサービスは似た部分が多いため、あとは月額料金や通話料などを考慮して選びたいところだ。月額料金は「LaLa Call」が210円安いが、スマートフォン・携帯電話への発信は逆に「050 plus」が1分あたり2.1円安くなる。
以上、各サービスで料金や内容が異なるので、自分のライフスタイルに最適なサービスを選択してほしい。