説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりが正しく理解していないこともあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、「そもそもiPhoneは「スマートフォン」なの?」という質問に答えます。
***
iPhoneは携帯電話であると同時に、れっきとした「コンピュータ」です。そのように感じさせないよう工夫されてはいますが、内部には小型の中央演算装置(CPU)と主記憶装置(RAM)が搭載され、UNIXをルーツに持つオペレーションシステムを稼働させ複数のプログラムを処理しています。音声通話は数ある機能のひとつに過ぎず、プログラム(アプリ)によって処理されていますから、「タッチ液晶付き小型コンピュータに電話機能を持たせたデバイス」と言うこともできます。
いわゆる「スマートフォン」に関する世界共通の定義はありませんが、携帯電話会社の通信回線を利用でき(1)、音声通話機能が標準装備され(2)、「アプリ」と呼ばれる任意のプログラムを追加/削除でき(3)、タッチ液晶を備えている(4)小型の携帯端末をスマートフォンと呼ぶことが一般的です。iPhoneは、この4項目すべてを満たしていますから、機器分類上はスマートフォンに含めて差し支えないでしょう。調査会社の統計資料でも、iPhoneはスマートフォンとして集計されています。
しかし、「スマートフォン」として一括りにするには違和感を覚えるほど、iPhoneには存在感があります。世界のスマートフォン市場では、iOSを搭載した端末(Apple一社)のシェアが20%を超えています。前述した4項目のうち(3)と(4)は、iPhoneがその定義を定着させる役割を果たしました。そういった事情からか、iPhoneは「iPhone」、Android搭載機など他の端末はスマートフォン/スマホ、と呼び分ける傾向もあります。
ところで、AppleはiPhoneを"スマートフォン"と呼んでいません。発表会など公式の場において、iPhoneはただ「iPhone」と表現されています。しかし、広報資料に「...Appleは革新的なiPhoneやApp Storeで携帯電話を再定義...」とあることから判断すると、携帯電話の派生形という認識があることは確かなようです。