説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりが正しく理解していないこともあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、「最近のiPhoneには"技適"マークがない、ってどういうこと?」という質問に答えます。

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確かに、iPhoneの本体から「技適」マークは消えました。しかし、マークの記載場所が変更されただけで、技適マークは存在します。マークを確認するには、「設定」→「一般」→「情報」→「法律に基づく情報」→「認証」の順に画面を開きます。

日本で携帯電話を販売するためには、電波法令の技術基準に適合していることを登録証明機関から認証される必要があります。その手続きを技術基準適合証明(通称「技適」)といい、携帯電話としての機能を持つiPhoneも当然「技適」を取得しています。

技適のテストは厳しく、受験機器のうち、1台でも基準を満たさないとすべての機器が不合格になります。完成品1台1台に対し技術基準の適合証明を行うというスタンスで、機器の無線設備を変更した場合には証明の効力が失われるため、再びテストを受けなければなりません。

技適マークは以前、製品本体に直接印字するか添付しなければならない規定でしたが、2010年4月の総務省令改正により電磁的方法(ソフトウェア)により表示する方法も認められました。だから、それ以降に発売されたiPhone 4SとiPhone 5の本体には、技適マークの刻印がありません。

しかし、iPhone 4の発売には間に合いませんでした。その結果、日本でソフトバンクから発売されたiPhone 4には、技適マークがある初期ロットと、「設定」画面でのみ確認できる後期ロットの2種類が存在することになりました。とはいえ、発売日に購入した端末でも技適マークがないものがありますから、購入時期を当てる基準にはなりませんよ。

写真で解説

2010年4月の総務省令改正により、技適マークは電磁的方法(ソフトウェア)により表示する方法も認められることになりました

このiPhone 4は発売日に購入したものですが、技適マークが刻印されていません。刻印があれば初期ロットです