米Appleの株価急落が連日伝えられているが、iPhone 5の部品発注を削減したとの報道がなされたことにより、さらに株価が下落し、ついに一時500ドルを割り込む事態となっている。Appleの株価急落については、昨年末のマイナビニュースのレポートでも詳しく考察されているが、9月のiPhone 5の発売を前後して株価が下降傾向となっているのが印象的だ。
コンシューマーレポートでは、iPhoneを抑えAndroid勢が上位に
米Business Insiderが伝えるところによると、このAppleの株価急落の要因のひとつは、最重要の製品ラインであるスマートフォンで優位性を失ったことであるという。この5年間、最も優れたスマートフォンの座にあったiPhoneだが、最近ではAndroid搭載の競合機種が肩を並べるようになってきており、それらの最新製品をiPhone 5よりも優れていると判断する評論家もいると述べている。
また、同誌はAppleがスマートフォンで優位性を失ったことを裏付ける内容として、信頼性の高い米国の消費者専門誌「Consumer Reports」のランキングを取り上げている。スマートフォンをキャリア別で評価し、上位3機種を紹介するものだが、AT&TやSprintでは、Androidを搭載したLG製「Optimus G」、サムスン製「Galaxy S III」が1位、2位となり、iPhone 5は3位となっている。また、VerizonではAndroid勢に押され、iPhone 5が上位3位にもランクインできない結果となっている。
スマートフォンの先進国であり、Appleの本拠地でもある米国では、このようにAndroidがiPhoneよりも高い評価を受けているが、こうした動きは今後、日本にも波及してくるかもしれない。1機種しか選べないiPhoneに対し、Android搭載のスマートフォンは画面サイズやデザインを自由に選べるほか、NFCやFeliCaを搭載していたり、防水に対応しているなど、性能面でも優れている。また、クアッドコアCPUや長時間バッテリーなど、端末としての完成度もAndroidがiPhoneを上回っているといえる。
日本市場でも変化「Xperia Z」に注目
実際に、Android優位の流れが見られるのが、16日に発表されたBCNの年末商戦動向だ。全国の家電量販店のPOSデータを集計したもので、これによると2012年12月のスマートフォン販売台数シェアでは、Android搭載機種をメインで扱っているNTTドコモが48.8%となり、前月に比べて大幅に拡大して首位となった。また、2012年12月の機種別のランキングでは、NTTドコモのAndroid搭載スマートフォン「AQUOS PHONE ZETA SH-02E」(シャープ製)、「Xperia AX SO-01E」(ソニーモバイルコミュニケーションズ製)が1位、2位を独占している。
先日、米ラスベガスで開催された家電関連見本市「International CES 2013」では、ソニーモバイルコミュニケーションズ製のAndroid搭載スマートフォン新製品「Xperia Z」が発表され、そのデザインや性能に高い評価が集まっている。Xperia Zは日本でも発売予定となっており、Androidを一気に飛躍させる可能性のある存在としても注目しておきたい。