ソフトバンクモバイルが今冬に開始を予定している映像配信サービス「SoftBank SmartTV(ソフトバンク スマートテレビ)」。Android OSを内蔵したUSBスティックを自宅のテレビに装着するだけで、TSUTAYA TVの最新映画などを大画面で楽しむことができる注目サービスだ。

今回、同社プロダクト・マーケティング本部サービスコンテンツアプライアンス統括部コンテンツ推進室新規サービス企画課課長の山田恵祐氏にSmartTVについて話を聞いたので紹介しよう。

話を伺った山田恵祐氏

使い慣れたスマホがリモコンに!!

SmartTVは、固定ブロードバンドのWi-Fi環境下でスティック型の専用端末をテレビのHDMI端子に接続し、スマートフォンで操作することで、HDサイズの映像コンテンツ(最大1,080i)をストリーミング形式で再生することができる。

サービス開始時点で利用できる動画配信サービスは、カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC) グループでネットエンタテインメント事業を行うTSUTAYA.comの提供するTSUTAYA TVに加え、ソフトバンクグループのBBTV NEXT、GyaO!で、エイベックス・グループと協力して展開するエンターテインメントサービス「UULA(ウーラ)」の視聴にも対応する。利用料金は月額490円(TSUTAYA TV、BBTV NEXT、UULAは別途、利用料が必要)だ。実際にサービスを利用するには、まず専用端末をテレビに挿し、スマートフォンに専用アプリをインストールする。アプリからスマートフォンと専用端末とのペアリングを行い、家庭の無線LANとの接続設定を行えば、すぐに使い始めることができる。初期設定が完了すれば、スマートフォン本体をリモコンにして、SmartTVの各種操作を行うことが可能だ。

このように簡単に使い始められるSmartTV。山田氏は、「スマートフォンとテレビをつなぐ動画サービス」と表現する。

SmartTVの最大の特徴は、スマートフォンという毎日操作する馴染み深い機器をリモコンとして活用できる点だ。スマートフォンのディスプレイを存分に生かし、タッチ操作やスクロールで素早く目的のコンテンツを探すことができるようになっている。SmartTVを起動するとテレビとスマートフォンの両方にアプリ画面が表示され「どちらを見ても操作できる」(山田氏)UIデザインになっている。

加えて、ケータイ決済に対応する点もSmartTVの大きな特徴だ。既存の動画配信サービスのようにクレジットカードの登録や会員登録なしに、気軽にサービスを利用することができる。

豊富なコンテンツがお得に視聴可能

SmartTVではサービスの使い勝手だけでなく、コンテンツの質と量にも力を入れている。サービス開始時点で、TSUTAYA TVが4万商品、BBTVは50チャンネル、GyaO!が2,000本、UULAが6万本の映像が視聴できるようになる予定だ。これら各サービスのコンテンツは、横断的に視聴できる。よって例えば、新作はTSUTAYA TVからレンタルし、自身の趣味に合ったコンテンツはBBTV NEXTの専門チャンネルで、名作映画は見放題サービスのUULAで視聴、といった使い分けができる。

なおソフトバンクでは、これらの豊富なコンテンツをお得に楽しめる施策も用意。SmartTVの提供開始に伴い、SmartTV利用者に毎月もれなく400ポイント(TSUTAYA TVのみで利用可能)を提供するキャンペーンを2013年3月末まで実施する。同キャンペーンを利用することで、TSUTAYA TVで新作のビデオ作品1本をレンタルすることが可能だ。SmartTVの月額利用料は490円だが、この400ポイントによって、実質月額90円でSmartTVを利用することができる。

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今冬よりサービスを開始するSmartTV。山田氏は、更なるサービス拡大に意欲を見せている。まずは、来年早期にも検索機能を実装する予定だ。同機能は各サービスをまたぐ横断検索が可能で、これにより目的の作品を素早く見つけることができるようになる。 エコポイント特需で薄型テレビは普及したが、インターネット対応でないテレビは多い。また、インターネット対応テレビであってもネットサービスを利用していないユーザーも多い。自宅のテレビで動画配信サービスを楽しむ人はまだまだ少ない、と言ってよいだろう。そうした中で、スマートフォンという”身近な機器”を使って簡単に自宅のテレビに出力できるSmartTVの登場は、自宅のテレビ楽しむ動画配信サービスの普及の起爆剤になるかもしれない。

「今年はオリンピックがあったため、大型作品のビデオ化が年末に集中しています。ぜひそうした作品をSmartTVで見て欲しい」と山田氏は言う。年末年始は、SmartTVを使い自宅のテレビで最新映画を視聴するというのもアリだろう。

(記事提供: AndroWire編集部)