USB出力機能付きポータブル電源セット「CP-A2LS」

スマートフォンの新製品のスペックが発表されるとき、バッテリー容量にも毎回注目が集まる。「この端末は何時間もつのか」は常にユーザーの大きな関心事だ。本稿では、そんなバッテリー持ちの不安を払拭してくれるUSB出力機能付きポータブル電源セット「CP-A2LS」(ソニー製)を紹介する。

本製品はAC入力部とUSB出力部がセパレートできるユニークな形状になっているポータブル電源セットで、4000mAhの充電式リチウムイオン電池を内蔵する。ソニーストアでの販売価格は4,480円だ。

USBポートは2つあり、それぞれから同時に5V/500mAを出力可能。また、スマートフォンだけでなくUSB端子から充電可能な一般の電気製品(携帯音楽プレイヤーやポータブルゲーム機など)への給電もできる。USB出力部の質量は約145g。単2乾電池1個が約70gなので、その2個分と考えれば重さが想像しやすいだろう。なお、家庭用コンセントを利用した場合の満充電の時間は約5時間となっている。

AC入力部(写真左)は58×56×21.5mm、USB出力部は58×84.5×26.4mm。入力電源はAC100V~240Vに対応している

USB出力部の表面にあるボタンを押せば給電が始まる。バッテリーの残量はオレンジ色のLEDの明滅により、4段階で表示される。同時に2つの機器へ給電することも可能。なお、何も機器が接続されていない状態で給電開始ボタンを押しても数秒で自動停止するので、「鞄の中で誤作動して、気がついたら勝手に放電していた」というようなアクシデントとも無縁だ。

iPadの充電も可能(写真右)。ちなみに本製品にはアダプター類が付属していないので、手持ちの端末に合ったものを事前に用意しておこう

手持ちのスマートフォンA(容量1230mAh)のバッテリーを使いきり、電源落ちさせた状態で満充電のCP-A2LSを接続してみたところ、はじめの3時間で89%まで回復した。そこで給電をやめ、別の電源落ちしたスマートフォンB(容量1150mAh)に接続したところ、約2時間半後にはスマートフォンBのバッテリーは75%まで回復した。このときCP-A2LSの充電池は空になり、給電を自動停止した。

次に、前述のスマートフォンAとBを共に電源落ちさせ、満充電のCP-A2LSで2つ同時に給電を開始したところ、はじめの1時間でAは34%、Bは35%まで回復した。その後の1時間でAは66%、Bは70%まで回復。さらにその約50分後にAが86%、Bが95%まで回復したところでCP-A2LSの給電が停止した。なお、バッテリーの給電状況は様々な要因で変化するので、上記レポートは参考程度に考えて欲しい。

レポートに使用したスマートフォンAはHTC Desire HD(HTC製)、スマートフォンBはBlackBerry Curve 9300(RIM製)

電池の持ちの不安から、替えバッテリーの購入を考えているスマートフォンユーザーは多い。しかし当然ながら、替えバッテリーは他の機器に使い回すことができない。また、バッテリーは基本的に端末に装着した状態で充電することが想定されており、替えバッテリー単体で充電するには専用ドックも購入しなければならないだろう。手軽に思えて、わりと手間がかかるものなのだ。

外付け充電器の汎用性の高さ、簡便さは既述の通りである。また、欲しいと思ったときに必要な分だけ付け足し充電が可能な点も大きなメリットだ。例えば車の運転中、会議中、人との会食中、学生ならば授業中など、細切れの時間を利用して充電することができる。替えバッテリーの購入を考えているユーザーには、端末の純正バッテリーと同じ価格帯で購入できるこの商品も選択肢のひとつに加えて、是非再検討してみて欲しい。