米Skype Russ Shaw氏

KDDIがVoIPサービスのSkypeと提携を結び、au携帯電話にSkypeアプリを搭載していくことを発表したが、現時点では詳細な仕様は明らかにされておらず、料金プランなども公表されていない。米Skypeのバイスプレジデントでモバイルビジネス担当のRuss Shaw氏に、今回の提携に関してインタビューする機会を得たので掲載する。

今回のKDDIとの提携は、包括的な戦略的提携ということで、今後au携帯電話だけでなく、固定電話やCATVなど、KDDIのそのほかの通信サービスにも展開していくことを踏まえたものとなっている。Shaw氏は、「日本だけでなく世界の通信事業者を検討した」結果、KDDIがこうした総合的な通信サービスを提供している点を提携の大きなポイントとしてあげる。「携帯電話も重要だが、ほかの通信サービスと広く連携できる」ことを重視したそうだ。また、KDDIの田中孝司専務やコンシューマ事業本部サービス・プロダクト企画本部長の増田和彦氏らKDDI側が積極的に提携を先導していった点も強調する。

世界で見ると、Skypeが同様の提携を結んでいるのは、英豪におけるハッチソン3、米のベライゾンワイヤレスに続いて世界で3例目となる。欧州やBRICs地域など、携帯サービスが伸びている地域もあるが、その中から日本市場を提携先と選んだ理由について、Shaw氏は「Skypeが日本市場をとても重要とみている」と説明する。

今回の提携では、従来のiPhoneやAndroid端末などに向けて提供されているSkypeアプリとは異なり、回線交換方式でサービスを利用できるのが大きな特徴で、ベライゾンも同様に回線交換方式での提供となっている。回線交換方式は従来の携帯の音声通話で使われている仕組みで、インターネットへの接続で使われるパケット交換方式に比べて、回線を占有するため通信の品質が確保できるという点がメリットとなっている。

従来のSkypeアプリはパケット交換方式でのサービス利用となっているため、回線を占有しないので、通信速度が一定せず(ベストエフォート)、音質が悪化する場合もある。しかし、回線交換方式を利用すれば一定の品質が確保でき、より高音質の通話ができるようになる。通常の音声通話と同じなので、携帯端末は音声をエンコードせずに送信するかたちだ。

音声がKDDIのゲートウェイ経由でSkype側のネットワークに来た段階で、Skypeが音声をデジタルデータ化することになるようだ。なお、au端末にとっては通常の音声通話と同様の処理のため、バッテリーへの影響が少ないというのがKDDI側の説明だ。