ジャストシステムは9月21日、都内で記者発表会を開き、iPhone/iPod Touch用メモアプリ「ATOK Pad for iPhone」を発表した。9月22日よりApp Storeで配信を開始する。価格は1,200円だが、発売記念価格として、26日までは900円で提供する。

ATOK Pad for iPhoneは、PCの日本語入力で知られる「ATOK」を組み込んだメモアプリで、iOS 4.0以上のiPhone/iPod Touchで利用できる。ATOKならではの高い変換精度を実現する変換エンジンと専用の変換辞書を搭載する点が特徴で、長い文章でも文節の区切り位置を適切に判断して変換し、同音語も文脈に応じて正しく変換するほか、先頭の文字を入力するだけで推測変換候補を表示することができる。作成したメモは、メールやTwitter、Evernoteなどに転送可能だ。

入力パネルは、一般的な「テンキーキーボード」「QWERTY キーボード」のほか、両手での操作をスムーズに行えるようにデザインされた「ダブルトリガーキーボード」を搭載。テンキーキーボードを利用した入力では、マルチタップの入力のほか、フリック入力や、ジェスチャー操作で入力できる「リボルバータッチ入力」が利用できる。また、単語登録やPC版ATOKのユーザー辞書の取り込みにも対応している。

ジャストシステム 福良伴昭 代表取締役社長

ATOK Pad for iPhoneを説明する佐藤洋之 コンシューマ事業部 企画部長

同社 代表取締役社長の福良伴昭氏は、ATOK Pad for iPhoneについて、「いよいよ待ちに待ったiPhone向け製品」とコメント。iPhone向け製品の開発意向を表明した昨年12月以降、多くの期待の声が寄せられたことを明かしたうえで、「(ATOK Pad for iPhoneは)最適に日本語を扱え、気持よく文章を書ける環境を提供できる」と述べた。

同社 コンシューマ事業部 企画部長の佐藤洋之氏は、ATOK Pad for iPhoneの開発にあたり、「iPhoneにおける文章入力のあり方と、ATOKのメリットを最大に活かせるのはどのようなアプリかという2点を重視した」と説明。さらに、ATOK Pad for iPhoneの特徴として、「View(メモ一覧)」、「Input(文章作成)」、「Edit(編集)」、「Throw(外部連携)」の4つを挙げた。また、「今回はメモアプリとしての提供になったが、iPhoneにおける入力メソッド(IME)としての提供も諦めていない」とコメントした。

プレゼンするコンシューマ事業部 開発部の斉藤大輔氏

続いて、開発責任者の同社 コンシューマ事業部 開発部の斉藤大輔氏がATOK Pad for iPhoneのプレゼンテーションを行った。斉藤氏は、フリック入力やQWERTYキーボード以外の新しい入力方式として、「リボルバータッチ」と「ダブルトリガー」を紹介。また、ユーザー辞書や定型文を登録できることや、アクションボタンやシェイクによって外部アプリに転送できることなどを説明した。

このほか、マルチプラットフォームでATOKによる入力を実現するためのメモツールとして、Windows版の「ATOK Pad for Windows」β3版を21日より提供開始したことや、Android版入力メソッドアプリの試用版を11月に公開予定であることなどが発表された。

変換候補語がテンキーのすぐ上に表示される

独自の入力方式「リボルバータッチ」

「ダブルトリガー」は、両手で使うのに最適な入力方式

メールやTwitter、Evernoteへ作成したメモを転送できる

「ATOK Pad for Windows」のサンプル画面